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育休明けママ、即フルタイム 出産後もキャリアつなぐ

シッター活用や夫と家事分担

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NIKKEI STYLE

育児期の働き方は難しい。短時間勤務ができるようになるなど選択肢は広がったが、仕事の比重を下げすぎると"マミートラック"に陥り、将来のキャリアに響く。出産前後で働き方を変えたくないと復職時にいきなりフルタイム勤務を選んだワーキングマザーに工夫と狙いを聞いた。

 ◇   ◇   ◇

外部サービス、ためらいなく利用

「外に頼れるサービスがあるなら、コストは気にしない」。第一生命保険総合審査部の課長、藤田ゆり子さん(37)は強調する。2015年末に第1子を出産、16年4月にフルタイム勤務で復帰した。保育所への送りは夫、迎えは妻。ただ火曜と木曜はベビーシッターに迎えとその後の世話を任せる。家事代行も週1回使って、掃除と夕食の作り置きを頼んでいる。

出産したらキャリアは終わり――。20代のときはそう思っていた。転機は11年の米国赴任だ。現地の米国人女性は出産後3カ月程度でフルタイム復帰する。シッターなど外部サービスの利用にためらいがない。後ろめたくないのかと尋ねたら「母親が複数いるようなもの。子どものためにもいいのよ」と笑顔で返された。なるほどその手もあったか。出産への不安が消えた。

藤田さんの収入の半分はこれらの支払いに消える。「でもキャリアをつなぐため。それに無理に仕事と育児を抱え込んで、どちらも中途半端になる方が心理的につらい」。現在2人目を妊娠中で予定日は4月。今回も10月にフルタイム復帰する計画だ。

公益財団法人21世紀職業財団の「若手女性社員の育成とマネジメントに関する調査研究」(15年)は入社10年目までの若手社員に出産後の働き方について希望を尋ねている。仕事の責任や内容について「生まれる前と同じように働きたい」が「両立しやすい仕事に変わりたい」と同数の37.6%を占めた。環境が整うなら、フルタイム復帰を望む女性は少なくない。

 ◇   ◇   ◇

夫の職場近くに転居

ダイキン工業テクノロジー・イノベーションセンターの新倉奈々恵さん(36)は16年秋に長男を出産。このとき大阪府高槻市から、夫の勤務先がある堺市に引っ越した。「夫は残業が多いので、高槻のままだと保育所への送迎に関われない。朝夕の送迎を1人でするとフルタイム勤務が難しい。夫の職場近くに引っ越せば2人で分担できる」

新倉さんは午前8時半~午後5時勤務。送りは夫に任せて午前7時前に家を出る。定時に退社すれば迎えは間に合う。結婚当時から夫は家事を半分担っていた。引っ越しで送迎問題を解決。夫婦共働きを難なく続けられる。

担当業務は人工知能(AI)を利用した空調制御システムの開発。次世代を担う重要な技術だ。15年に部署ができた際、技術力と経験を買われて抜てきされた。「短時間勤務では研究のサポート役に回る恐れがある。入社10年で巡ってきたチャンスを逃したくない。フルタイム勤務での復帰しか考えていなかった」と説明する。

 仕事と子育ての両立がきちんとできるのか。不安を持つのは当事者だけではない。どこまでどう仕事を任せてよいのか。上司の悩みは深い。フルタイム復帰するならば、上司との意識の擦り合わせも重要だ。

フルタイム復帰、「できる」を前提に情報収集

キリンのパッケージング技術研究所で働く米本友華さん(32)は16年1月に長女を出産。産休・育休を経て1年後にフルタイム勤務で復帰した。復職前面談で上司に「将来は管理職になりたい。だから仕事量を抑えずに働きたい。ただフルタイムでもどっても残業はできない。その分は効率よく働いてカバーする」と意思を伝えた。

休業中に万全の体制を整えた。家事省力化のために食器洗い機と自動掃除ロボットを購入し、夕食の食材は宅配サービスを使うと決めた。保育所は最長午後8時すぎまで延長可能な施設を選び、子が病気の時に預かってくれるベビーシッターとも契約した。復職後は仕事の納期は前倒し設定し、どんな業務をどこまで終えているかも職場で明らかにしている。こうした工夫が奏功し、出産前と同等の役割を上司は任せてくれている。

実は産休に入る前は短時間勤務も考えていた。だが育休中にワーキングマザーが運営する自主勉強会に参加して意識が変わった。仕事か子育てかの二者択一ではなく、キャリアと子育ての両方を追っている女性らと出会い、刺激を受けた。米本さんは「フルタイム復帰は『できない』と決めつけてしまうと対応策も考えようとしない。『できる』を前提に情報収集し、対策を練れば案外、道は開ける」と話す。

 ◇   ◇   ◇

頼みの綱 実家より夫 ~取材を終えて~

一昔前はキャリアと子育ての両立は実家の協力がカギだといわれていた。今回取材した3人は、万一のセーフティーネットとして実家を織り込んでいるが、頼みの綱はまずは夫。夫婦で仕事と子育てを両立できる環境を考えていた。時代も変わってきた。

子育て期は短時間勤務を選んだ方が楽だろう。なのになぜきついフルタイム復帰を選ぶのか。その理由はキャリアロス不安だ。子育て期に当たる30代は、仕事でもちょうど脂が乗りきる時期。ここでの成長や評価はキャリアの行方を大きく左右する。同期に後れを取らないためにもここが踏ん張りどころ――と努力を惜しまない姿勢に頭が下がる。

ただ、会社側がいきなりフルタイム復帰を出産後の社員に求めるのは誤りだ。理想はどんな働き方を選んでも、その人がやりがいを感じ、成長につながる仕事を上司が割り振ることだ。ワーキングマザーに自助努力を迫る前に、企業や上司がすべきことはたくさんある。

(編集委員 石塚由紀夫)

[日本経済新聞朝刊2018年3月12日付]

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