シャチ集団がクジラを襲撃 「殺し屋」の圧倒的な強さ
ロシアのカムチャツカ半島沖でのこと。ボートで海に出た研究者と観光客が、シャチの群れが1頭のミンククジラを襲う場面に出くわした。ドローンで空撮した、その狩りの映像を紹介しよう。
肉食動物のシャチは、魚に加え、他のイルカやクジラといった哺乳類も食べる。一般に、1年を通して同じ海域で暮らす「定住型」は魚やイカを食べ、より数の少ない「回遊型」は大型の獲物を仕留める。シャチは英語で「キラー・ホエール(殺し屋クジラ)」とも呼ばれるが、哺乳類を狩るシャチは、この恐ろしい呼び名の由来でもある。
回遊型のシャチは、1家族が最大5頭から成り、連携して大型哺乳類を狩る。獲物を追いかけ、水中でのしかかって窒息させるのだ。極東ロシア・オルカ・プロジェクトの生物学者で、今回の出来事を目撃したタチアナ・イブコビッチ氏は、「撮影されたシャチの集団は、おそらく2つの家族から成っていたようです。成獣、幼獣が共に含まれています」と語る。
映像でシャチが真っ先にありついたのが、ミンククジラの舌だった。「一番おいしいところです」とイブコビッチ氏はいう。「ですが、このシャチの群れは他の部位も食べて、残りを長いこと引っ張って行きました。後には背びれしか残っていませんでした」
(日経ナショナル ジオグラフィック社)
[ナショナル ジオグラフィック 2017年7月11日付記事を再構成]
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