映画で印象的なのは、末井さんの仕事ぶりだ。雑誌を売るために会社の電話でテレクラまがいのホットラインを始めたり、写真家の荒木さんらときわどいヌードに挑んでは警察に呼び出されたり…。ひょうひょうとしながらも過激な仕事ぶりが痛快だ。

「男らしくていいですよね。『嘘でしょ!?』っていうようなことを、たくさんなさっている(笑)。自分で限界を作らないというところは、すごく素敵だなと思いました。

自分も、そうでありたいなと思っています。『これはできない』っていう限界は、自分で作りたくないですね。興味を持ったら、全力でやる。末井さんはそれで警察が絡むまでやっちゃってる方ですけど、その姿勢は、お手本にしたいと思いました」

無類の映画好き。雑誌「AERA」に映画コラムを連載し、『前田敦子の映画手帖』として書籍化されたこともある。

もともと見た目に自信がないので、少しでもコンプレックスを解消したいという気持ちがあるんですよ。『もっとほかにやれることがあるんじゃないか』と思って、あれもこれもと試しちゃう

「映画のDVDは棚に入りきらなくなって、最近は床に置いてますね。積み上がってます(笑)。

ジャンルは問わないんですけど、今、一番好きなのは、若尾文子さんの出演作を見ること。2~3年前かな、映画館で若尾さんの特集をやっていて、TSUTAYAでも特集コーナーができてたんですよ。その時に何気なく何本か見て、好きになりました。最近、どんどん若尾さん出演作のDVDが出てきているので、そのたびにAmazonで買って、1人で見てます。

今、好きな映画の仕事ができていて、幸せです。どんな女優になりたい、とかはないのですが、いかに長く続けていけるかというのが課題で、目標です。

長く続けるために必要なのは、やっぱり、精神力。そのためにも体を鍛えたり、きちんと食べたり、いろんなものを見て、経験することが大事だと思っています。だから私は、これからもいろいろ動き回っていくと思いますね。それが、仕事のプラスになるんじゃないかと思っています」

健康オタクなんです。ジムにも行ってますし、整体にも行きますし、お風呂に入れる入浴剤も、すごくこだわってます
前田敦子
 1991年生まれ、千葉県出身。2005年に「AKB48 オープニングメンバーオーディション」に合格。中心メンバーとして活躍し、12年に卒業。以降、女優として映画、ドラマ、舞台で活躍中。主な映画出演作に、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(11年)、「イニシエーション・ラブ」(15年)、「モヒカン故郷に帰る」(16年)、「武曲 MUKOKU」(17年)、「散歩する侵略者」(17年)、「探偵はBARにいる3」(17年)など。ドラマに「毒島ゆり子のせきらら日記」(16年)、「民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~」(17年)などがある。

「素敵なダイマナイトスキャンダル」

(C)2018「素敵なダイナマイトスキャンダル」製作委員会

岡山の田舎町で育った末井昭少年は、7歳の時、母親が隣家の息子とダイナマイトで心中するという衝撃的な死に触れる。青年になった末井は、工場への集団就職などを経て、『ウィークエンド・スーパー』などのエロ雑誌を創刊。その一方で、妻・牧子がいるにもかかわらず不倫に溺れていく……。監督・冨永昌敬 原作・末井昭(「素敵なダイマイトスキャンダル」ちくま文庫刊) 出演・柄本佑、前田敦子、三浦透子、峯田和伸、松重豊、村上淳、尾野真千子 2018年3月17日(土)~テアトル新宿、池袋シネマ・ロサほか全国ロードショー

(文 泊貴洋、写真 藤本和史)