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定年楽園への扉

老後費用は読めない 長く働き、貯蓄取り崩しを先送り 経済コラムニスト 大江英樹

2018/3/22

これに対して、消費支出の平均は23万5477円ですから、6万円近く不足します。1年間だと72万円、仮に老後生活を30年間とすると2160万円です。これに医療・介護費の800万円を加えると約3000万円になります。一般的には退職金や貯蓄でこの不足分3000万円を用意しましょう、ということになるのでしょう。

■少しでも働けば不足分をカバーできる

でも、ここで発想を根本的に変えてみたらどうでしょう。足らない毎月の6万円を取り崩すのではなく、その分を何らかの仕事で稼ぐと考えるのです。もし、夫婦なら2人で月6万円、1人で3万円なら、ある程度年を取っても稼ぐことは可能ではないでしょうか。

内閣府の「2017年版高齢社会白書」によれば、65歳から69歳の人のうち働いている人の割合は男性で53.0%、女性では33.3%となっています。この割合は今後ますます増加していくものと思われます。

もし、60歳から70歳までの10年間、月収で10万円を得ることができれば合計1200万円、20万円では2400万円となり、その分老後の不足額をカバーすることができます。

もちろん、働かなくてもその代わりに支出を減らすことでバランスすることも可能でしょう。現役時代の習慣を見直さずに無駄な支出を続けている人も多いですから、退職後の1~2年間で大なたを振るえば負担はかなり軽くなるはずです。

あるいは、働く+無駄の見直しの両方をやってもいいでしょう。これによって、生活を楽しむための支出について蓄えを取り崩さなくてもよくなるかもしれません。老後の生活は人それぞれですから、一概に「〇千万円持っておくべきだ」「それを計画的に取り崩すべきだ」と決めつけるのではなく、柔軟に考えましょう。

「定年楽園への扉」は隔週木曜更新です。次回は4月5日付の予定です。
大江英樹
野村証券で確定拠出年金加入者40万人以上の投資教育に携わる。退職後の2012年にオフィス・リベルタスを設立。著書に「定年男子 定年女子 45歳から始める『金持ち老後』入門!」(共著、日経BP)など。http://www.officelibertas.co.jp/

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