しゃべりたいのにいつも聞き役
女優、ミムラさん
本当はおしゃべりが大好きなのに、いつも聞き役に回されてしまい、ストレスがたまります。家族も友達もうれしそうに話すので、話の腰を折っては悪いと思い、自分が話したい話題をなかなか振れません。でも、あまり興味のない話題を延々と聞かされることも多くて、さすがに嫌気がさします。どうすれば私の話も楽しく聞いてもらえるでしょうか?(東京都・女性・40代)
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"聞き上手"は美徳ですね。相手への思いやり、話の理解力、包容力がないとうまくできません。素晴らしい特徴です!
「どうすれば自分の話も楽しく聞いてもらえるか」という相談者さんの観点、ほぼ答えになっていると思います。子供のころに聞いた偉い人の訓示って、「長い、おもしろくない」という印象でしたよね。逆に、憧れの職業に就いている大人の話は、とてもおもしろく聞けたものです。
つまり「興味のない話を延々と聞かされると苦痛」、これに尽きます。相談者さんが話す話をおもしろいものにするか、ご自分を興味深い人物にすればよいのです。
話をおもしろくするのは簡単です。読書やニュースの収集で、頭の中にストックをつくりましょう。「同性に受けのいい美容話」「全人類共通の最新医学話」「誰もが喜ぶトリビア話」などなど。自分の話した内容を聞いた相手が、別の人に話したくなるような話、という基準でどうぞ。内容が曖昧だと情報としての価値が薄まるので、数値などを交えて具体的に話すとよいですよ。
興味深い人物になるには、「ミステリアス」が効果的です。貞淑な妻、優しき母が突然家を出て、残された家族が右往左往。そんな映像作品が国を問わず多数作られています。いなくなってはじめて、妻でもなく母でもない"その人自身"について、皆が考え始めるのです。
おもしろいのは、こういった物語の男性バージョンがあまりないということ。そう考えると、相談者さんのような「受ける」ことのスペシャリストは、女性が多いのかも。でもずっと我慢していては疲れますよね。
家出はしないまでも、「ごめんね、ちょっと忙しいの」とにっこり笑って会話を切り上げてみましょう。いつも優しかった相談者さんに聞いてもらえないと、相手には不満が生まれます。「なんで聞いてくれないの」となじられるかも。
その時こそチャンスです。「じゃあ私の話も聞いて」と切り出せば、相手も平等性の必要に気づいてくれるはずですよ。
[NIKKEIプラス1 2018年3月10日付]
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