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家事は「シェア」することで夫婦が幸せになれる

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ママ一人に育児、家事の負担がかかってしまう"ワンオペ"解消に向けて、様々なリソースと連携したマルチオペレーション型育児へのシフトが必要です。家族内の連携の基盤となる夫婦間の「家事シェア」について、NPO法人tadaima! 代表理事の三木智有さんに伺います。聞き手はパートナーシップ&ペアレンティングアドバイザーの林田香織さんです。

◇  ◇  ◇

林田香織(以下、林田) 三木さんは、私が理事を務めるNPO法人ファザーリング・ジャパンの賛助会員でもいらっしゃいますね。最近ではイベントや企業の両立支援セミナーでもご一緒しています。まずは、自己紹介をお願いします。

三木智有さん(以下、敬称略) NPO法人tadaima!の代表理事の三木智有です。日本で唯一の「家事シェア研究家」を名乗っております。『10年後20年後も「ただいま!」と帰りたくなる家庭へ』をスローガンに、家族の家事シェアや、子育て家庭のための"モヨウ替えコンサルティング"などを行っています。家族は、妻と3歳の娘の3人家族。妻も産休・育休の取得や仕事と家庭の両立を支援するNPO法人を運営しており、"NPO夫婦"でもあります。

林田 まずは「日本唯一の家事シェア研究家」について教えてもらえますか? 「家事シェア」とは、「家事分担」と何か違うのでしょうか?

三木 「シェア」という言葉には「共有」というニュアンスがありますよね。家事を誰か一人の仕事ではなく、「家族事」として捉えていこうという意味合いを「シェア」という言葉に込めています。また、家事・育児を単なる家庭内の仕事の分担と捉えるのではなく、家事・育児を通して家族の在り方や関わり方を考えるような、ノウハウよりも「人」というソフト面にフォーカスしたいという思いもあります。「家事シェア」は家族が幸せになるための一つのツールと考えてもらいたいですね。

林田 「分担」ではなく、「シェア」として発信することで、受け取る側にはどんな意識の違いが生まれるのでしょうか?

三木 「家事分担」は、例えばママが主に担っていたりする家事全般を、パートナーに"お願いする"ような形で、振り分けていくイメージですよね。一方、「家事シェア」は家事を"夫婦二人で担っている"イメージです。そうすると、家事の動線ややり方を考えるときも、「ママが動きやすい」という視点ではなく、「ママもパパも動きやすい」という視点になります。「分担」ではなく「シェア」と捉えることで、家族一人ひとりが自立して家事を行うことができるんです。

家事は分担割合より「不満の解消」が大切

三木 僕は家事の負荷には「負担」と「不満」の2種類があると考えています。負担は、純然な手間やかかった労力のこと。不満は、不公平感と言えるでしょう。「分担」とは、前者の「負担」をいかに分けるかということでしかありません。不満については分け合おうとか軽減しようという意識がない。でも、これからの時代はむしろ「不満の解消」のほうが必要になってくるはずです。

家庭内での家事に関するイライラは、負担と不満、両方を担い合うことで解消に向かいます。そのためには、「本来はママの仕事である家事を分担する」という考え方ではなく、「家族みんなの仕事である家事を共有する」という共通認識を持つことが大事なんです。

林田 家事シェアによって、夫婦間の量的サポートだけでなく、情緒的な側面での納得感が強まるということですね。三木さんは、この家事シェアを推進するためにtadaima!を立ち上げられたということでしょうか?

三木 そうですね。きっかけは、当時僕がやっていたインテリアコーディネーターという仕事への疑問と、自分自身のライフステージの変化という2つの要因が重なったことでした。

インテリアコーディネーターは、家をより住み心地のよい空間にするための提案を行う、すばらしい仕事です。ところが、クライアントには理想の住まいと家族の暮らしを提案しておきながら、職場の同僚たちのプライベートは必ずしもそうではなかったんです。また、自分と大切な家族が住む場所である住まいに興味も関心もないようなクライアントもいて、心の中で「本当に今のやり方で理想の家庭を築く手伝いができているのだろうか」という疑問を感じていました。

そんなときに、自分自身も結婚が決まり「このままでは自分の結婚生活も、墓場みたいに暗いものになってしまうのではないか?」といった漠然とした不安が頭をよぎりました。そこで、「『ただいま!』と元気に帰りたくなるような家庭って、一体どんな家庭なんだろう?」という自分の中に湧き上がった疑問を解決するために、100人の夫婦にヒアリング調査をしたんです。

林田 そこでは実際にどんな声が聞かれたんですか?

三木 最初は、家の間取りとか置きたい家具についてお話を伺っていたんですが、皆さん、間取りの話よりも夫婦間の家事・育児の分担についての話が止まらなくて。「夫が手伝ってくれない」という不満は多かったですが、「こんなことをしてくれてうれしかった」という感謝の声もありました。そうして皆さんの声を分析した結果、「家事・育児のシェアが課題ではないか」という結論に至りました。でも、インテリアの販売や提案だけでは、この課題は解決できないと感じ、「家事シェア」を推進していこうと考えたんです。

初めは、インテリアコーディネーターの仕事も続けながらやっていこうと考えていましたが、妻から「本腰を入れてやらないと、社会は変えられないよ」とハッパを掛けられまして(苦笑)。新婚早々、事実上の無職という大変なことになってしまいましたが、独立してNPO法人を立ち上げたんです。

林田 三木さん自身のご家庭も、夫婦それぞれがNPOの代表を務めていて、お子さんもまだ手のかかる年ごろとなると、仕事との両立はとても大変だと思います。三木さん自身はどのように家事シェアされているのでしょうか?

三木 料理と掃除は主に僕が、洗濯は妻がやることが多いですね。保育園の連絡関連や保護者会なども妻です。お互い得意な家事を担当している形なので、負担感は少ないと思います。

林田 最初からスムーズに家事シェアできたんでしょうか?

三木 子どもが生まれるまでは、お互いあまり干渉し合わないスタイルで、基本的に自分のことは自分でやる、という感じでした。夕食だけはなるべく一緒に食べよう、という程度ですね。当時から、掃除は基本的に僕、洗濯は妻で、料理はできるほうが作っていました。

育児の軸を「親の健康」に

林田 お子さんが生まれてからは大変だったのでは?

三木 すごく大変になりました。「家事シェア研究家」を名乗って、色々な情報やノウハウを持っていたので、まあ大丈夫だろうと思っていたのですが、全くそんなことはなかったですね(苦笑)。何より大変だったのは「時間」。赤ちゃんがいるとお互い1人の時間がほとんどなくなってしまいますよね。僕はもともと夜型で、夜中に仕事をしたかったのですが、そうすると妻が夕方以降の家事・育児を1人でこなす必要が出てきてしまう。

そこで、子どもが18時に保育園から帰ってくるまでに仕事を終わらせると夫婦で決めたのですが、なかなかそう簡単に終わるものでもない。結局仕事が終わらないまま、夜は家事・育児に追われる。仕方ないので子どもを寝かしつけてから仕事をしようとするのですが、なかなか子どもが寝てくれない。そうするとこちらもイライラしてしまって、対応が雑になってまた子どもが寝なくなるという悪循環に陥ってしまいました。

このままじゃまずいと夫婦で色々試行錯誤した結果、18時まで仕事をして、夫婦で家事・育児をシェアして、子どもと一緒に寝る。そして朝早く起きて仕事をする、というスタイルに落ち着きました。

林田 お子さんが小さいうちは、授乳や夜泣きがあったりして、十分に眠れないこともよくあります。そのうえで朝早く起きるというのは、なかなかつらいですよね。

三木 そうなんです。最初は僕も「子育て頑張ろう」と思って、妻が授乳するときは一緒に起きて、授乳が終わったら僕が寝かしつけていたんです。でも、なかなか寝ない子どもにまたイライラしてしまって。そこで限界を感じて、夫婦で何を一番大切にするべきか、話し合いました。

その結果、一番大切なのは親である僕たち自身がハッピーでいることだと思ったんです。そこで、「親の健康」を軸にすることにしました。そうすることで、夫婦のどちらかが起きているときは、どちらかはしっかり睡眠をとるようにしよう、ということになったんです。「親の健康」が軸ですから、相手が寝ていても不満も感じないし、寝ているほうも罪悪感を覚えない。子育ての軸、つまりビジョンが決まったことで、家事・育児に優先順位を決められるようになり、夫婦間の家事シェアもスムーズになりました。この「家族のビジョン」はとても大切で、必要なことなので、講座や研修でもよくお伝えします。皆さんにも、ぜひ一度夫婦で話し合い、考えていただきたいと思います。

三木智有
 家事シェア研究家。NPO法人tadaima!代表理事。子育て家庭のモヨウ替えコンサルタント。1980年、鳥取県生まれ。フリーでインテリアコーディネーターの仕事を請け負う傍ら、男性の暮らし方を変えていきたいと、2011年にNPO法人tadaima!を設立。
林田香織
 パートナーシップ&ペアレンティングアドバイザーとして、子育てと仕事の両立や夫婦関係に悩むママ&パパをサポートする両立支援の最前線で活動。お茶の水女子大学修士(家族社会学)、米国Brigham Young University 修士(言語教育学)。NPO法人 ファザーリング・ジャパン理事、NPO法人コヂカラ・ニッポン理事、NPO法人 いちかわ子育てネットワーク副代表理事。

[日経DUAL 2018年2月13日付記事を再構成]

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