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古本の宅配買い取り ビジネス書など1冊100円超も 自宅に居ながらネットで簡単査定

NIKKEIプラス1

2018/3/15

写真はイメージ=PIXTA

引っ越しなどを機に大量の本を処分したいとき、自分で古本屋に持ち込むのは重労働だ。自宅で段ボール箱に詰めて宅配便で集荷してもらう「宅配買い取り」なら体力も手間も要らない。

インターネット通販大手アマゾンのサイト上にある「宅配買取サービス」は、自分で段ボールを用意する必要すらない。注文すれば同サービスの運営会社、リコマース(愛知県豊明市)が5箱まで無料で送ってくれるからだ。アマゾンの会員登録をしていれば、名前や住所などを入力する手間も省ける。

正式な買い取り価格はリコマースが実物を見てメールで通知してくるが、書籍やマンガ、CD・DVDなど約65万タイトルについてはサイト上で検索すれば目安が表示される。例えば公開中映画の原作「祈りの幕が下りる時」の文庫本は15~32円、人気コミックス「北斗の拳」の全27巻セットは981~1965円になっている。

記者も自宅と職場で不要になった小説やビジネス書など45冊を宅配買取サービスに出してみた。まず小説の買い取り価格を検索すると、文庫本は3~5円が多く「捨てるよりはいいか」というレベル。単行本の「闇の守り人」でも12~39円にとどまった。

本を自宅で段ボールに詰めて集荷してもらうだけ

ビジネスやお金に関する本は検索でヒットしないものが少なくなかったが、中には100円以上の値が付くものも。ネット生保の創業者、出口治明さんの「働く君に伝えたい『お金』の教養」は170~350円、オリックスのグループCEOを務めた宮内義彦さんの「私の中小企業論」は208~538円だ。これらは新品の2割以上の買い取り価格になる可能性があるわけで、期待が高まった。

そして集荷から土日をはさんで4日後に査定結果のメールが届き、45冊で計4450円分のアマゾンギフト券になった。「できるだけ高く売れそうな本を」と考えてハードカバーの単行本を多めにしたためか、1冊当たり100円近くになった。記者は使わなかったが、査定価格の1冊ごとの内訳を確認してから本を売るかどうか決める方法もあり、キャンセルする場合は無料で返送してくれる。

スマートフォンからも申し込める(リコマースの宅配買取サービス)

古本チェーン大手のブックオフも、10冊以上をまとめて売るなら宅配買い取りサービス「宅本便」が使え、買い取り代金は銀行口座に振り込まれる。年間の買い取り冊数は約2300万冊。運営会社のブックオフオンライン(相模原市)によると「利用者は30~40代の女性が多く、リピーターが6割を占める」。

バリューブックス(東京・杉並)の「Vaboo」は、午後3時までに申し込めば最短でその日の午後6時に集荷してくれるスピードが売りだ。全国対応で、初めての利用でも会員登録などの手続きは要らない。スマートフォンと段ボール、本人確認書類のコピーさえあれば引っ越し当日でも間に合いそうだ。

同じタイトルでも本の状態によって買い取り価格は異なる。節約アドバイザーの和田由貴さんは「帯を残しておいたり、日焼けしにくいところに保管しておくといい」という。汚れや書き込みが目立つものは査定価格がゼロになることもある。

シリーズ全巻セットや購入者が限定される専門書などは宅配買い取りよりネットオークションのほうが高く売れる可能性がある。「夏休み前には学校推薦図書が高く売れる」(和田さん)といった傾向もある。ただし、購入者とのやり取りや本の発送などに時間がかかるため、引っ越しなどで忙しい人には向かない。

本やDVD、ゲームなどの宅配買い取りは便利な半面、消費者保護のためのクーリングオフ制度の対象ではなく、慎重にサービス業者を選ばないとトラブルになるリスクがある。意に沿わない査定価格だったらキャンセルできるのか、その場合の送料はどちらの負担なのか、といった点をよく確認しておこう。

(相馬真依)

[NIKKEIプラス1 2018年3月10日付]

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