これはラテマネー、つまり「使わなくてもあなたの人生にほとんど支障がない」レベルの消費を探すことです。「満足のいく出費」をやめる必要はありません。
例えば、大好きなマンガの新作を楽しみにしていて、発売日当日に月刊誌を買うとか、仕事をしっかり頑張ったあとコーヒーショップで文庫本を30分読む間のコーヒー代などは、価値ある消費ですから、カジュアル無駄遣いではありません。自分にとっての無駄遣いは人それぞれです。ぜひ探してみてください。
仮に毎日、370円のラテマネーをセーブできたら、これは毎月1万1000円以上、年間では13.5万円ほどの貯蓄原資になります。あなたがもし、このお金を新社会人(22歳で就職すると仮定)になってから、65歳でリタイアする年齢までため続けたとしたらいくらになるでしょう?
実は利息ゼロでも、580万円の財産になります。そして、年1%の利息があれば、725万円までお金は増えます。もし、資産運用にもチャレンジし、年3%の利息を得ることができれば、なんと1183万円までお金は増えます。「毎日ちょっとの無駄遣い」をやめることができれば、将来大きな財産となってあなたを助けてくれるというわけです。
お金持ちだからお金をためられるわけではなく、毎日、なんとなく買うカフェラテ、お菓子、スマホゲームの課金などをセーブすることで大きな資産になるのです。
コンビニの会計前に立ち止まる習慣を
実際に無駄遣いを減らすにはどうしたらいいのでしょうか? それは簡単です。まず、コンビニなどでの「会計の前に立ち止まる」ところからスタートしましょう。
パパッと商品を手に取り、ささっと会計をする、という習慣自体が無駄遣いの温床です。お金を払う前にためらう(といっても10秒でいい)習慣をつけると、「ま、買わなくてもいいか」と考えるチャンスが生まれます。
3品持っていたら1品は棚に戻すなど、いつもと違う行動をあえてしてみてください。午後3時にコンビニでお菓子を買わずにオフィスに戻っても、5時の終業まで仕事の生産性は変わらなかったとしたら、お菓子への出費は無駄遣いだったのかもしれません。
短期集中で家計簿をつけるのもいい方法です。スマホの家計簿アプリをインストールし、会計のたび記帳する習慣をつけます。カメラでレシートを撮影すれば自動記帳されますから、コンビニで会計が終わったときにすぐ記帳を終了させられます。
自分の買い物を記録し、「見える化」することは一時期流行した「レコーディングダイエット」(体重を減らす有効な方法として、毎日体重を記録する)のような効果も期待できます。それだけで、カジュアル無駄遣いの歯止めになるかもしれません。
カジュアル消費を減らしてみると、案外苦にならないものです。それは無感動な消費になっていたからです。こうした消費を削ることで、お金がたくさんためられるなら、これは最高の「卒業」ではないでしょうか。
