つみたてNISA ヤングは本気の金融機関と付き合おう積立王子のヤング投資入門(12)

だとすれば、つみたてNISAへの取り組み度合いを「この先生き残る金融機関」と「淘汰される金融機関」の有力な判断材料として見てみることもできそうです。ですので皆さんがつみたてNISAを始める際の金融機関選びでは、まず企業としてこの制度への「取り組み本気度」が強いと感じられるところをお相手に選ぶことが大切ですね。この付き合いは最長20年、いや毎年継続投資していけばそれ以上にもわたる長いものだからです。

商品メニューからも金融機関の姿勢は分かる

次に販売金融機関ごとの「商品メニューに対する考え方」を見定めることが重要です。やる気のあるネット証券は、つみたてNISAの登録対象ファンドのほぼ全てを網羅しています。ネット証券のビジネスモデルは、あらゆるニーズに応えるインフラ機能の提供を旨としていますから、つみたてNISAでもできるだけ多くの商品を並べ、選択肢の幅を広げているわけです。既にどの商品を購入するかを決めている人にとっては便利な半面、これから選ぼうとしている人にとっては選択肢が多すぎて、いたずらに迷ってしまったり自分にあまり合わない商品を選んでしまったりする可能性も高くなるなど、活用の仕方には注意が必要です。

一方で、多くの対面型証券会社や銀行では各社独自の判断基準で商品を数本~十本程度に絞り込んでいます。そこには販売側のラインアップへの思想が反映されているはずで、分かりやすく選びやすいのは良いことですが、「自分の望むタイプの商品がない」ということも大いに考えられます。この場合は他の金融機関を検討すべきでしょう。これまで当コラムで説明してきたように、世界経済全体に分散させて投資できる国際分散ポートフォリオの株式ファンドか、バランス型(株式と債券を中心にした資産クラスの組み合わせ)の商品がメニューにある金融機関をお相手に選ぶようにしてみてはいかがでしょうか。

そしてさらに細かく見ると、多くの銀行・証券が無難な横並び志向でインデックス型ファンドだけをメニューに並べて済ませている中で、一部の金融機関は、設定から5年以上経過していて過去の実績をしっかり示せるアクティブ型ファンドをあえてラインアップに投入しています。こうした姿勢には商品選定に対する販売側の強い自己主張が感じられます。このように、つみたてNISAへの企業意志の違いは商品メニューからも見極めることができるのです。

いずれにせよ、商品選びでも販売金融機関選びでも、あれこれ浮気せず20年間(以上)付き合い続けるという前提での選択を心がけてほしいと思います。

中野晴啓
セゾン投信株式会社代表取締役社長。1963年生まれ。87年クレディセゾン入社。セゾングループ内で投資顧問事業を立ち上げ、運用責任者としてグループ資金の運用等を手がける。2006年セゾン投信(株)を設立。公益財団法人セゾン文化財団理事。一般社団法人投資信託協会理事。全国各地で年間150回講演やセミナーを行っている。『預金バカ』など著書多数。
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ビジネスパーソンの住まいと暮らし
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