商店街の垂れ幕もNG? 五輪のスポンサー保護どこまで

2018/3/8

紙面から

平昌冬季五輪では日本代表選手が所属する学校や企業が壮行会やパブリックビューイング(PV)による応援を自由に公開できないことが話題となった。多額の協賛金を支払って五輪・オリンピックの呼称やマーク、大会イメージを広告などに活用するスポンサーの権利を守るためだ。

もちろんスポンサーならOK。選手の地元自治体が開催する場合も公開の制限などはない。五輪の商業化がもたらしたひずみの一つといえるだろう。

企業はともかく学校まで規制されるのは違和感があるが、卒業生や在校生が代表選手として五輪に出場して活躍すれば学校のブランド力は向上し、学生・生徒を集めやすくなる。スポンサーでもないのにそれをメディアなどを通じて広く周知するのは学校の宣伝であり、アンブッシュ(不正便乗商法)に当たるというのは、それなりの筋が通ってもいる。

日本オリンピック委員会(JOC)は「規制が行き過ぎ」との指摘を受けて、学校に関しては大会後の報告会や祝賀会の外部への公開を認めるとした。それでも「(生徒募集などの)プロモーションに利用することはできない」とクギを刺している。

巨額の経費がかかる五輪の開催にスポンサーの協賛金は不可欠。一方で、その権利を守るための配慮が行き過ぎると、2020年東京五輪・パラリンピックをみんなで応援しようとする機運を損なう。ルールを厳格に当てはめれば、地域の商店街が地元選手のメダル獲得を祝う垂れ幕を掲げることすら認められない。20年大会を盛り上げる立場でもあるJOCは「(規制のない)自治体とうまく連携してほしい」と訴えている。

(編集委員 北川和徳)

[日本経済新聞朝刊2018年3月8日付]