「長官という立場上、セレモニーや冠婚葬祭などに出席する機会が増えました。でも、ネクタイをしていると、どうしても肩や首回りが凝りがちです。2年前は五十肩も加わって、腕が上がらず往生したのを覚えています」
「自宅では上下スウェットだったり、パジャマのズボンをはいていたり。思いっきりラフな格好でいるのは、日ごろの反動かもしれません」
■クールビズだって当初は異論
――「クールビズに続け」とこのプロジェクトを位置づけているようですね。
「何事もイケていなければ、はやりにはつながりません。その点は配慮していく必要があると思っています。今ではすっかり定着した感があるクールビズだってそうでした。当初は異論がありましたが、みんなで『せーの』で始めた結果、今では夏場はノーネクタイがごく当たり前という状況になっています」
「スニーカー通勤は日本ではまだ少数派かもしれませんが、ぜひ目を世界に転じてみてほしいと思います。もちろん業種・業界やTPO(時、場所、場合)に配慮する必要はあるでしょう。でも、歩きやすいスタイルで快適性が高まれば、仕事の効率や能率だって自然と上がるはずです。スーツにも合う歩きやすいスニーカー類や歩きやすい革靴も靴メーカーから色々と出てきているので、マーケットの裾野も広がります」
「人を若く、元気に、きれいに楽しくしてくれるもの。それがファッションだと思っています。『もっと自由な発想で、クリエーティブに』という流れはこれからさらに進むのではないでしょうか」
(聞き手は堀威彦)
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