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レシピ動画の後発クラシル 大量投入で逆転、世界一に

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日経トレンディ

1分程度の短い動画で料理の作り方を説明するレシピ動画サービスが、「料理をせずに見て楽しむ」ニーズも取り込み伸びている。なかでも、後発での参入ながら動画数世界一を達成するなど、快進撃を続けているのが「クラシル」だ。人気の秘密はどこにあるのか。運営会社であるdelyの柴田快取締役に聞いた。

◇  ◇  ◇

クラシルは当社(dely)が2016年2月に立ち上げたレシピ動画サービスだ。現在、月間1000本以上のレシピ動画を配信しており、累積本数は1万3000本超。17年8月、サービス開始から1年半で、数年先行していた競合他社を抜いてレシピ動画数世界一を達成した。12月にはアプリのダウンロード数が1000万に到達している。

もともとはキュレーションメディアを手がけていた当社がレシピ動画に着目したのは、当時「動画元年」といわれている割には、動画が「来ている」感じがしなかったからだ。ならば自分たちでやってみようかと、代表の堀江裕介がフライパンとまな板を買ってきて、自ら作りながら撮った「ホワイトペンネの作り方」の1分動画。思えばこれがクラシルの原点だった。

レシピは簡単だし、画質は粗っぽく、おいしそうとは言い難い出来栄え。しかしフェイスブックで公開すると、驚くほどアクセスが伸びた。当時のフェイスブックは、ユーチューブへの対抗上、動画配信を伸ばそうとしており、アルゴリズム的に動画の表示が優遇されていたのだ。それに気づいた僕らは、とにかくどんどん動画をアップする作戦に出ることにした。

題材に料理を選んだのは効率が良かったからだ。料理ならば数十センチ幅のスペースで動画を作れるが、例えばファッションなら街や公園に出かけなくてはならない。しかもファッションにははやり廃りがあるが、レシピ動画なら時間がたっても価値が失われない。また料理をしない人でも「見て楽しむ」ニーズが高まっており、世界的にも手がける企業が増えていた。「レシピ動画に集中しよう」と決めるのに時間はかからなかった。

「分散型メディア」に見切り

当初のクラシルは、フェイスブックやインスタグラムなどのSNSで動画を配信する、いわゆる「分散型メディア」。SNSからの流入がメインとなる分散型メディアは当時、今後の主流になるといわれていた。

しかし、サービス開始から2カ月ほどで、僕らは分散型よりも、公式アプリからの利用を重視する方針へとかじを切ることになる。分散型一本でいくことに限界を感じたからだ。今はフェイスブックが優遇してくれていても、今後その方針が変わっただけで、成長が止められてしまう。安定して成長し続けたいなら、自分たちがアルゴリズムを手中に収めなくてはダメだ。

アプリを始めたもう一つの理由は、圧倒的な本数をそろえ、高い検索性を備えれば、レシピ動画は「見て楽しむもの」だけではなく実用コンテンツになると考えたこと。クラシルを「クックパッドの動画版」として成立させられるのではないか。スマホでの通信が高速化していくなか、ユーザーがよりリッチなコンテンツにシフトする流れは目に見えていた。

当時、レシピ動画の主流は間違いなく分散型で、先行する国内外のサービスは、いずれもSNSで話題になるような奇抜で派手なレシピを、1日に3つか4つ投稿することに終始していた。アルゴリズム的に、投稿動画数が多過ぎるとユーザーに届きにくくなるため、彼らはそれ以上発信できなかったのだ。つまり、分散型では圧倒的本数は望めない。また、「バズる(ネット上で広まる)」ことが優先の派手なレシピは実用性には乏しくなりがちだ。だから僕らは、「時代に逆行している」という批判を尻目にアプリにかじを切り、実用的なレシピ動画を1日に50本体制で作り続けた。

レシピ数、約1万3000は少なく見えるかもしれないが、これはすべてプロのレシピだ。クックパッドが擁する280万レシピのうち、閲覧回数が多いのが上位数万程度とされていることからすれば、実用に堪えるものにはなっているのではないか。今でも常にユーザーの検索動向を追い、ニーズに応えるレシピが出ているかを細かくチェックして、満足度の向上に努めている。季節の食材やスーパーで安売りされているものが検索ワードの上位に来ることから見ても、毎日の食事作りに使っていただけているのだと思う。

プロやセミプロによる大量生産

大量の動画を作るうえで欠かせないのが、レシピの考案から調理、動画撮影までを担当する「クラシルシェフ」の存在だ。管理栄養士、調理師などの有資格者から料理好きな主婦までが在籍し、1日50本の動画を作成している。消費者が投稿するのではなく、料理のプロ・セミプロが作る動画であることで、レシピと動画の質が担保される。

そのうえで、そのときどきの安い食材を使うといった、実用性重視のレシピを多くそろえる。当社からクラシルシェフたちに、こんな食材を使ってほしいというリクエストを機動的に出す。これらの取り組みが他サービスと比べた利用のしやすさや安心感につながっていると思う。

収益源としては、多くは食品メーカーのタイアップ広告だ。レシピ動画のメリットとして、スポンサー商品を食材として使ったり、完成した盛り付けのシーンで映すなど、視聴者にネガティブな印象を与えない自然なPR動画を作りやすい。実際、大手食品メーカーの多くが活用している。

今では競合他社もこぞってアプリを始めているが、僕らはこれまで動画を一気に増やし、検索のアルゴリズムを磨き、大量のダウンロード数を獲得してきた。積み重ねから得た地位は、おいそれと崩せないと自負している。

(ライター 平林理恵)

[日経トレンディ2018年4月号の記事を再構成]

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