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株投資するなら必見 米国債利回りの動き(平山賢一) 東京海上アセットマネジメント運用戦略部長

2018/3/13

「米国株安の主因は、米国債利回りの想定よりも速いペースでの上昇だ」

プロのポートフォリオの執筆陣に加わりました平山賢一です。資産運用会社に入社してから約29年、金融市場での出来事を「金融の歴史(金融史)」と比較しながら考え、投資を実践してきました。初回は金融史の側面から、最近の市場動向について解説したいと思います。

2018年2月は米国株が大幅に下落する局面がありました。その余波は3月に入っても続きました。その主因として挙げられているのが、米国債利回りの想定よりも速いペースでの上昇です。

この米国債利回りは、米連邦政府が発行する債券の利回りのことで、市場参加者の頻繁な売買によって、時々刻々と変化しています。プロの投資家の間では最も大切な金融指標の一つといわれています。

■FRBの利上げ観測で米国債利回りが大幅上昇

国債利回りは、おおむね景気が良くなっている時期や、物価上昇率が高まる局面で上昇します。反対に景気が悪化している時期や、物価上昇率が低下する局面では下落します。現在の米経済はトランプ大統領の減税政策により、好調な景気がさらに加速しつつあります。

景気加速が期待され、中央銀行に相当する米連邦準備理事会(FRB)が政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を一段と引き上げるとの観測が強まったため、米国債利回りも想定よりも大幅に上昇しているわけです。

FRBは、08年にグローバル金融危機が発生して以降、市場参加者の不安心理を和らげるために、フェデラルファンド金利を15年末まで限りなくゼロ%に近づけてきました。その後、危機からの回復が明らかになるにつれて、FRBは利上げに転じています。この7年間は異常なゼロ金利状態であったといえ、現在は正常化の過程にあります。

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