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早稲田に医学部は? マンモス私大に2つの課題 早稲田大学の鎌田薫総長に聞く

2018/3/11

東京都新宿区にある早稲田大学。1882年に東京専門学校として開校した

 日本を代表する私立大学、早稲田大学(東京・新宿)。慶応義塾大学と覇を競い、政界や経済界、文化界などに多くの人材を輩出してきた。2018年の入試の志願者数は11万7千人超と前年を上回ったが、学生の7割は首都圏出身。地方出身の野性味あふれる「バンカラな早稲田人」は少なくなってきたが、アジアを中心とした海外からの留学生は急増している。学部生4万2千人のマンモス私大は、どう変貌し、次世代の人材を育成しようとしているのか。念願の医学部は新設できるのか。就任8年目の鎌田薫総長を早稲田の杜(もり)に訪ねた。

■大隈重信も医学に関心

 「(創始者の)大隈重信も医学や生物学にすごく関心を持っていました。今は『人生100年時代』といわれるけど、当時から人生125歳説を唱えていた。先見性があったんでしょう。生理学的にはあらゆる動物は成熟期の5倍は生きると。人間の成熟期は25歳だからその5倍は125年というわけです。実際、メロンなど植物栽培とか、生物の研究は独自にやっていたようです」。鎌田総長は、懸案の医学部新設について創始者の逸話をひもときながら、意欲をにじませる。

 1882年に創立された早稲田(当時は東京専門学校)。医学部創設は開校以来の課題と言えるだろう。一方、ライバルの慶応は医学部を設置して100年を超えた。『臨床の慶応、研究の東大』と称せられ、東大の理科1類や2類に合格しても、慶応医学部に合格すれば、東大を蹴るほどの『金看板』だ。慶応は他の薬科大学を買収して薬学部や、看護医療学部を設置するなど医療領域を拡充している。早稲田も人間科学部をつくり、健康福祉科学科を新設。同じ新宿区内にある東京女子医科大学と提携したが、肝心の医学部開設には至っていない。

 もともと日本医師会などでは国内での医学部新設に慎重論が強く、政府も医学部の設置を長く認めなかった。だが、2011年の東日本大震災後に東北と関東に計2つの大学の医学部設置を認可した。その際も「我々も議論したが、課題がたくさんあった。まず巨額のコストがかかる。医学部の研究や大学病院の運営には年間100億円の費用が必要とされる。学閥もあるし、いい医者を集めるのも大変だ」(鎌田総長)という。

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