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小型株投資 なぜ私が専門にしているか(苦瓜達郎) 大和住銀投信投資顧問シニア・ファンドマネージャー

2018/3/6

写真はイメージ=123RF
「小型株は大型株に比べて市場に見落とされている事実が多く存在する」

はじめまして。今回から当欄を担当させていただく苦瓜達郎です。まずは自己紹介も兼ねて、「投資対象を小型株に絞る意味」について考えてみようと思います。

私は現在運用会社で日本の小型株に投資するファンドを担当していますが、以前は証券系の調査会社でアナリストを務めていました。当初は窯業を担当していましたが、1995年に小型株へ担当替えになりました。そのとき、まず考えたのは「なぜ小型株をわざわざ別部門の担当にしているのだろう」ということでした。

おそらく、当時主流だった小型株投資の考え方は、「成長株に早い段階で投資し、長期で大幅なリターンを目指す」というものだったでしょう。しかし、私は投資対象を成長株に絞ることに疑問を感じていました。

■小型株は市場に見落とされている事実が多い

それは日本経済に関して、あまり明るい見通しを持っていなかったことが一因です。バブル崩壊直後に就職したので、経済成長というものを実感したことがあまりなく、一方で無理な拡大志向が悲惨な結果をもたらすということは肌で感じていました。

経済全体があまり成長しない中で、投資家が企業の成長を必須条件と見なすことは、成長株と見なされた少数の企業に投資が集中し過大評価を招く危険があると考えたのです。実際に、この現象は2000年前後のIT(情報技術)バブルという形で現実のものとなります。

小型株に投資する意味として私が考えたのは、大型株に比べて市場に見落とされている事実が多く存在するため、正攻法の調査と銘柄選択で勝てる可能性が高いということでした。必ずしも企業の成長を前提としないこの戦略を成功させるためには、皆が行なっているのとは違う形で数多くの調査活動を行う必要があります。

ここに小型株を専門的に取り扱う意味が存在します。しかし、ITバブル崩壊後の市場では流動性が極端に低下したため(08年のリーマン・ショック後の比ではありません)、リスクを取って他の投資家が相手にしていない銘柄を買おうという顧客はほとんど存在しませんでした。私はアナリストを辞め、02年に現在の会社に移りました。

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