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薬も効かない「こじれた頭痛」 局所注射と漢方が効く

日経ヘルス

2018/4/23

写真はイメージ=PIXTA
日経ヘルス

 頭痛の中で一番多い緊張型頭痛。患者数は約2000万人といわれる。頭から背中にかけての筋肉が緊張して凝りや張りを生じ、それにより痛みを感じる神経が刺激され頭痛が起こる。「頭が締めつけられるように重苦しく痛む」のが特徴的な症状で、目の奥の痛みや吐き気を伴うこともある。

 市販の頭痛薬で対処できることも多いが、デスクワークで長時間、同じ姿勢を続けたり、精神的なストレスが続いたりすると、筋肉の緊張がほぐれないままとなって痛みが慢性化。こうなると市販の頭痛薬はもちろん、医師が処方する鎮痛薬でも、なかなか痛みが取れないことが多かった。

 こうした「こじれた頭痛」の治療を得意とするのが、痛み治療を専門とするペインクリニック。「緊張型頭痛に対しては、頭痛を引き起こす「トリガーポイント」に直接、局所麻酔薬を注射するトリガーポイント注射の有効性が高い」と、みつはたペインクリニック(東京都江東区)の光畑裕正院長は話す。

(イラスト:藤田ヒロコ)

 トリガーポイントとは、押すとさまざまな所に痛みやしびれが表れる、つまり痛みの引き金(トリガー)となる場所のこと。緊張型頭痛の人では後頭部や首、肩に生じやすい。

 「トリガーポイントでは、硬くなった筋肉が神経を締めつけ、血流も悪くなっている。ここに局所麻酔薬を打つことで、筋肉が緩んで血行が改善し、頭痛だけでなく肩こりも軽くなる人が多い」(光畑院長)。健康保険が使え、費用は1回につき3割負担の人で1000円程度。合併症はほとんどないが、注射当日は激しい運動は控える必要がある。週に1度、3~4回注射を受けると、かなりのケースで頭痛が軽減するという。

 漢方薬も有効だ。「首の凝りが強い人には葛根加朮附湯(かっこんかじゅつぶとう)、冷えがあるなら呉茱萸湯(ごしゅゆとう)など、体質や症状に合った漢方薬を使うことで、頭痛が次第に起こりにくくなる」と光畑院長。

漢方では、頭痛以外の症状や頭痛の表れるパターンなど、細かな症状や体質に応じて薬を選択する。「トリガーポイント注射」と組み合わせて漢方薬をのむことで、頭痛を治す効果が高まるという

 加えて、首や背中の緊張をほぐす体操を定期的に行えば万全。オフィスでイスに座ったままできる体操を光畑院長に教えてもらった(下図)。「緊張型頭痛を治すには、トリガーポイント注射と漢方薬、そして毎日の運動の3つが大切」と光畑院長はアドバイスしている。

(イラスト:藤田ヒロコ)
光畑裕正さん
 みつはたペインクリニック(東京都江東区)院長。1976年秋田大学医学部卒業。米国ベイラー医科大学、順天堂大学麻酔科学講師などを経て、2007年に同大学教授。同大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センターの麻酔科・ペインクリニック科教授を兼任。2017年の定年退職を機に開業。

(ライター 金沢明)

[日経ヘルス2018年4月号の記事を再構成]

日経ヘルス 2018年 4 月号

著者 : 日経ヘルス編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 600円 (税込み)


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