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会社を退職ではなく、「卒業」する人が増えるわけ ライター 猪瀬聖

2018/3/10

転職者300万人時代を迎え、退職者も増加の一途だ

卒業シーズンを迎えた。最近は、ビジネスパーソンの間でも、転職などで会社を辞める際に、「退職します」ではなく「卒業します」と言う人が増えている。別に女性アイドルグループの影響ばかりではないようだ。卒業という言葉に込められた思いや、卒業宣言が広がる背景を探った。

■声を詰まらせて「卒業」します

外資系情報セキュリティー会社に勤務する奥山純子さん(42)は昨年10月、今の会社に転職するため、8年半勤めた外資系パソコンメーカーを退職した。

転職が決まった時には、親しい同僚らに「実は卒業することに決めた」と退職を報告。最終出勤日に職場であいさつした際にも、卒業という言葉を使って自分の思いを伝えた。同僚がスマートフォンで撮影したという動画を見せてもらうと、確かに、時折声を詰まらせながら、「卒業」を口にする奥山さんの姿が映っていた。

卒業という言葉を使った理由を奥山さんは、「営業職としてたくさんのことを勉強させてもらったことに対する感謝の気持ちや、会社に対する愛着の気持ちを表したかった。と同時に、新たな挑戦のために退職するということを知って欲しかった」と説明する。

キャリアアドバイザーの藤井佐和子さんは、「ここ数年、とくにベンチャー企業に勤める20代から40代の世代で、SNSなどで周囲に退職の意向を告げる際に、『退職』や『退社』、『辞める』ではなく、『卒業』という言葉を使う人が非常に増えてきている」と話す。

奥山さんも、「外資系企業は人の出入りが激しいので中途退社は珍しくないが、私の前に辞めた人たちも、普通に卒業という言葉を使っていた」と証言する。

「卒業」は大企業の社員にも浸透し始めているようだ。大手飲料メーカーで長年、広報を担当していた女性は、2年前の退職の際に、「今春、○○(会社名)を卒業させて頂くことになりました」と社外の関係者にあいさつのメールを送った。メールには、現在の心境や感謝の気持ちと共に、「また別の新たな挑戦をしたい」「新たなステージに進ませて頂く」と、旅立ちの決意が述べられていた。

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