建物が倒壊するもう一つの要因は地盤です。地盤が緩いと地震の揺れが増幅されるので、地盤の固いところよりも建物の倒壊リスクは高まります。地盤がよいか悪いかはボーリング調査などを実施しないと正確にはわかりませんが、国土地理院の地理院地図の「地形分類(自然地形)」(URLは末尾※2に)を見て調べたい場所をクリックすると、地盤の状態についてある程度の情報が手に入ります。

地理院地図の「地形分類(自然地形)」より

上の地図のように、自分の住まい周辺をクリックすると、「地震の際にやや揺れやすい」などと地盤の解説が表示されます。こうした地域に老朽化した木造建物が密集しているような場合、「建物の倒壊リスクが高い地域」の可能性が高いことになります。この地図の見方は17年4月19日のコラム「住まいの災害リスク、簡単チェック ネットで地形把握」で詳述していますので併せてご覧ください。

スムーズな消火活動ができる地域か

地震に伴って火災が発生する恐れがあることも常に想定しておきたい点です。火災が発生しやすいのは、火気器具や高圧ガス施設を利用している事業所などが多く存する地域です。そして火災の次に怖いのが、もらい火などによる延焼です。延焼する可能性が高まるのは、耐火性が低い木造建物などが周囲に多く、かつそうした建物が密集している地域になります。

また、火災が発生した場合、スムーズな消防活動ができる地域かどうかもポイントになります。例えば、消防車がスムーズに火災現場に到着できる幅4メートル以上の道路がどの程度整備されているかということも、延焼しにくい地域を見分けるポイントとなります。

これらの危険性はその地域を実際に歩いてみることで、ある程度のイメージができると思います。

危険性を認識し、準備を怠らず対策を練る

自然災害は忘れたころにやってきます。安全な地域に住めるのであればそれが一番ですが、地震災害の危険性が高い地域に住んでいる場合、あるいはそういった地域でこれから暮らすことを考えている場合、事前にその危険性を認識し、準備を怠らず対策を練っておくことで被害を極小化できるはずです。これを機に地域の地震災害の危険性について考えてみませんか?

※1:東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」のURL http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/chousa_6/home.htm

※2:国土地理院の「地理院地図」の「地形分類(自然地形)」のURL https://maps.gsi.go.jp/#15/36.106919/140.086327/&base=std&ls=std%7Cexperimental_landformclassification1&disp=11&lcd=experimental_landformclassification1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0&d=vl

田中歩
1991年三菱信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)入行。企業不動産・相続不動産コンサルティングなどを切り口に不動産売買・活用・ファイナンスなどの業務に17年間従事。その後独立し、ライフシミュレーション付き住宅購入サポート、ホームインスペクション(住宅診断)付き住宅売買コンサルティング仲介などを提供。2014年11月から個人向け不動産コンサルティング・ホームインスペクションなどのサービスを提供する「さくら事務所」に参画。
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