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低迷Xperiaが選んだ道 デザイン一新も2眼は見送り

佐野正弘のモバイル最前線

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NIKKEI STYLE

高い人気を続けてきたソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia」シリーズだが、最近は顧客ニーズとのずれが目立ち販売が落ち込んでいる。そこで起死回生を狙うべく、先月発表したのが最新「Xperia XZ2」シリーズ。18:9比率のディスプレーにラウンド感のあるボディーデザイン、4K HDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)の動画撮影が可能なカメラなどが特徴だ。一方で他社がこぞって採用する2眼カメラの搭載は見送られた。はたして消費者の心をつかめるだろうか。

ボディーデザインを大幅に見直し

最近、Xperiaシリーズの人気が落ち込んでいる。MM総研が2018年2月13日に発表した17年度上期のメーカー別出荷台数シェアでは、前年度まで国内2位だったソニーモバイルが、シャープに抜かれてシェア3位に転落した。

消費者の支持を失っている大きな要因は、ソニーモバイルの戦略が変化に乏しく、顧客ニーズにマッチしなくなってきたことだ。その象徴がカメラ。Xperiaシリーズはソニーが持つ高い撮像素子の技術を生かして画質の高さを追求してきた。だがカメラの高画質化が進んだ現在、スマートフォンのカメラにはむしろ楽しい写真や、個性的な写真を手軽に撮影できることが求められるようになってきた。

しかしソニーモバイルも、落ち込みを黙って見ているわけではない。スペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2018」に合わせ、2月26日(現地時間)に新しいスマートフォン「Xperia XZ2」と、そのコンパクトモデル「Xperia XZ2 Compact」の2機種を発表。印象を大きく変える新機軸を打ち出した。

その象徴がデザインだ。Xperia XZ2は従来のメタル素材に代わり、背面に3Dガラスを採用して丸みを持たせた「アンビエントフロー」という新しいデザインコンセプトを採用。最も厚い部分で11.1mmと、最近のスマートフォンの中ではかなりの厚さとなるものの、その分背面の丸みが手にフィットし、持ちやすくなっている。

またディスプレーに関しても、最近のスマートフォンのトレンドとなっている18:9の縦長比率の5.7インチディスプレーを採用。ボディーのフィット感と合わせて、大画面ながらも片手で操作しやすくなっている。

世界初の4K HDR撮影を実現

カメラを見ると、Xperia XZ1と同じ1900万画素のメモリ積層型イメージセンサーを搭載するなど、スペック的には変化がない。だがセンサーの活用の幅を広げることで、新たな撮影を実現した。

その一つが、スマートフォンでは世界初となる、4K画質のHDR動画撮影だ。HDRは光の明暗の幅を広げる技術。Xperia XZ1の動画撮影では露出が異なる複数の画像を合成することで実現している。それを4K画質にできたのには、撮影した画像を一時的にセンサー内に保存しておける、メモリ積層型イメージセンサーが大きく貢献しているそうだ。

そしてもう一つは、1秒間に960コマの映像を撮影できる、スーパースローモーション撮影機能の強化だ。こちらも積層型イメージセンサーの活用によって実現している機能だが、従来機種ではHD画質での撮影のみの対応だった。だがXperia XZ2は新たに、フルHD画質でもスーパースローモーションの撮影が可能となっている。

またカメラを活用した機能の一つとして、前機種の「Xperia XZ1」から搭載されている、自分の顔をカメラで3Dスキャンし、アバターなどにして楽しめる「3Dクリエーター」も進化。Xperia XZ2では新たにメインカメラだけでなく、フロントカメラでもスキャンができるようになった。自分撮り感覚で3Dスキャンが楽しめるようになったことで、より活用しやすくなった。

カメラ以外にも、スマートフォンの楽しさの部分を強化する新機能が用意されている。その代表的なものが、動画の撮影時に音をリアルタイムで解析し、端末を振動させてライブ感のある動画を記録する「ダイナミックバイブレーションシステム」というもの。この機能を実現するため、Xperia XZ2には従来より振動が大きいアクチュエーターを搭載しているという力の入れ具合だ。

技術へのこだわりがフットワークの重さに

Xperia XZ2からは、従来のXperiaシリーズの停滞したイメージを大きく変えたいという、ソニーモバイルの気合いが感じられる。だがそれが、ユーザーの支持へとつながるかは未知数だ。

確かにデザインの変更によって、素材感が大きく変わって持ちやすさも向上した。だが最初に手にしたときは、やはり「厚い」という印象が強い。最近のスマートフォンは薄型化を追求する傾向が強いだけになおさらだ。

ソニーモバイルのUX商品企画部門UX商品企画1部商品企画課統括課長の染谷洋祐氏は、「確かに厚さはあるが、持ちやすさと手になじむことを両立することを重視したレイアウトだ」と話している。だが実際に購入してもらうには、店頭でのインプレッションが重要で、そのためには端末が薄い方が消費者にポジティブな印象を与える。薄さの追求を止めたXperia XZ2は、消費者が店頭で手に取った時にネガティブなイメージを持ってしまうかもしれない。

またカメラに関しても、4K HDR撮影やフルHD画質のスローモーション撮影など、すごさを感じさせるものの、最近のスマートフォンの主流となっている2眼カメラの搭載に関しては搭載が見送られている。

ソニーモバイルとしても2眼カメラに取り組んでいないわけではない。Xperia XZ2の発表に合わせる形で、暗い場所の被写体を動画でも撮影しやすくする、超高感度撮影を実現する2眼カメラ技術を開発していることを明らかにしており、染谷氏も「我々にしかできない2眼のチャレンジがある」と答えている。だがそうした技術へのこだわりが、フットワークの重さ、ひいてはユーザーニーズとの乖離(かいり)を生む要因になっている印象は否めない。

Xperia、ひいてはソニーモバイルに今求められているのは、技術へのこだわりだけでなく、最新のトレンドやユーザーニーズを的確にとらえるスピード感ではないだろうか。今回の新モデルを見る限り、そうした部分での改善が見られなかったことが気がかりだ。

佐野正弘
 福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。

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