地方企業で輝くキャリア 成功増えるU・Iターン転職エグゼクティブ専門の転職エージェント 森本千賀子

大都市圏と比較すると、地方の求人は対象年齢の条件が柔軟である傾向があります。大都市圏では若手が優先して採用されるようなポジションでも、年齢にかかわらず意欲・熱意重視で、年齢が高い人が採用されるチャンスが多いといえます。

成長企業に「経営幹部」のニーズ

次に、昨今、地方にはどんな人材ニーズがあり、どんな人が転職を果たしているかを紹介しましょう。

もともと「地方勤務」の求人が多い職種といえば、メーカーの研究開発、生産技術、生産管理、工場長といったものが代表的。開発・生産拠点が地方にあるケースが多いからです。

一方、地方の有力企業や成長企業が「経営幹部」を求める求人も多数存在します。経営企画、事業企画、管理部門長、最高財務責任者(CFO)といったポジションです。

最近では、創業社長や経営幹部の高齢化により、世代交代が起きています。経営権を受け継いだ30歳代から40歳代の社長が、自分の経営方針の実行をサポートしてくれる「パートナー」を求める求人がよく見られます。

こうした2代目、3代目社長には、大都市圏でビジネスの経験を積んだ後、地元に戻って家業を継ぐケースも目立ちます。彼らは、都会で学んだ先進的なビジネスモデルや経営手法を取り入れたり、新規事業に取り組んだりする意欲が高いのです。

しかし、先代社長を支えてきた経営幹部はやはり高齢になっており、定年間近。若い世代も、新しい戦略を実践するには経験が不足しています。そこで、大都市圏でのビジネス経験を持ち、自身が目指すビジョンを共有して戦略を推進してくれる人材を採用したいとするニーズが生まれているのです。

後継者の指導・育成は外部人材のほうがスムーズなケースも(写真はイメージ=PIXTA)

また、地方の経営者が子息に事業を引き継ぐにあたり、「まだ若く、知識や経験が足りていない」と感じる場合、「指南役」として50歳代から60歳超のベテランを招くケースもあります。「社長自身が直接経営を教えればいいのでは」と思われるでしょうが、親子では客観的な目で接し、指導・育成することが難しいと感じているのです。そこで、「第三者の客観性を持つ外部のベテランビジネスパーソンに指導・育成の役割を任せたい」と。そして、次期社長が就任したら、「番頭」的な役割を務めてくれることを期待しています。

いずれも、会社経営の根幹を担い、新しい事業や組織づくりにも携われるポジション。そこにやりがいを感じた方々がU・Iターン転職を果たしています。 

例えば、大手メーカーのグループ会社で管理部長を務めていた50歳代後半の定年間近だった方が、九州で新規株式公開(IPO)を目指す企業にCFOとして入社したケースがあります。その方にとってはそれまで一度も訪れたことがない土地だったのですが、「自分のキャリアを生かし、IPOという大きな夢を追える」ことにやりがいを感じて移住を決意しました。当初は単身赴任していましたが、休日に遊びに来た奥様がその土地を気に入り、家族も移り住んだそうです。

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