「フライドポテト」なる食べ物は、いったいいつから存在するメニューなのか、その起源があまり定かではない。しかしながら、広く世界各国で愛されている定番メニューとなっていることに異論を唱える人はいないだろう。しかも、従来はメイン料理の付け合わせ的存在、もしくは酒のおともとして「とりあえず」注文されるものであったはずが、近年ではフライドポテト専門店なるものが続々と登場し、人気を博している。
実際に足を運んでみると、ジャガイモの品種、カット方法、揚げ方、味付けなど、実に多種多様だ。そしてどれも「フライドポテトは単なる添え物」と言っていた自分を反省するほどにおいしかった。そこで今回は、この味わいを家庭でも再現すべく、挑戦してみた。
まずはジャガイモの品種から語るべきなのだろうが、昔ながらの男爵、メークインなどのほかに、近年ではキタアカリやインカのめざめ、ニシユタカなど、皮が黄色いノーマルなタイプのジャガイモだけでも、さまざまな種類が流通するようになった。
ここに、皮や身に色がついている品種も加えると、もう収集がつかない。そこから論じていたら、きっとフライドポテトのレシピにたどり着くまでに数回の連載をまたいでしまうことだろう。そのため、今回は代表的かつ近所のスーパーマーケットでも手に入りやすいメークインを使用することにした。

さて、今回着目したいのは、フライドポテトのカット方法だ。調べたところ、呼び方に多少の違いはある場合もあったが、だいたい下記のように分類される。
(1)ストレートカット:少し太めのスティック状にカット
(2)ウェッジカット(ナチュラルカット):皮付きのままくし型にカット
(3)シューストリング:ストレートカットをさらに細くカット。「靴ひも」という意味。
(4)カーリーカット(スパイラルカット):くるりとねじれたカット
(5)クリンクルカット(ウエーブカット):専用のナイフで表面をギザギザにカット
(6)手割:手で割ったもの