「原子」が見えた! なんと一眼レフで撮影に成功

日経ナショナル ジオグラフィック社

ナドリンガー氏は、イオントラップの超高真空室の窓をのぞきこむようにして写真を撮影した。使用したのは、50mmレンズと接写用のエクステンションチューブ、そしてカラーフィルターをつけた2つのフラッシュ装置だ。エクステンションチューブは一般に、レンズの焦点距離を長くしてクローズアップ写真を撮るために使われる。

ストロンチウムの原子半径は215ピコメートル(1ピコは1兆分の1)と極めて小さいが、38個の陽子を持ち、原子のなかでは比較的大きい。それでも、写真で原子を見ることができるのは、カメラの露光時間を長くして、原子がレーザー光を吸収して再放出する様子をとらえられるようにしているからだ。そのため、実際に写真に映っているのは、原子の輪郭ではなく、放たれているレーザー光だ。露光時間を長くしなければ、原子を撮影することはできない。

コンテストで表彰されたのは、この写真だけではない。流し台のシャボン玉、薬物送達に使われる微細泡、チョウの羽といった超クローズアップ写真のほか、脳の活動を調べる装置を頭につけたボランティア被験者のポートレートも受賞作に選ばれている。

(文 Elaina Zachos、訳 鈴木和博、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2018年2月19日付]

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