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好調な国内株 アクティブ型投信の異なる値動きを分析 QUICK資産運用研究所 清家武

2018/2/28

写真はイメージ=123RF

過去3年間で日本株相場は3割程度上昇したため、国内株式を積極運用するアクティブ型の投資信託の成績が総じて好調だ。純資産残高の大きい国内株式アクティブ型ファンド(上位20本の平均)を見ると、3年間で6割以上値上がりした。ただし、アクティブ型といってもファンドの値動きはさまざまで、それぞれの特徴を知る必要がある。

純資産残高が大きい国内株式アクティブ型ファンドの過去3年間の値動きを、「ファンド固有の動き」と「市場に連動する動き」に分けて分析した。

ポートフォリオ理論では市場全体の動きと連動する度合いをβ値(ベータ値)という。一方で、銘柄選別などによるファンド固有の動きをα値(アルファ値)と呼ぶ。

■ファンドの値動きをα値とβ値に分解

α値は高いほどファンド固有の値動きをしていることを、β値は1に近づくほど市場全体との連動性が高いことを示す。全てのファンドに当てはまるわけではないが、一般にα値が高いファンドはβ値が低く、α値が低いファンドはβ値が高い傾向がある。

実はファンドの値動きはα値とβ値に分ければ、定量的に説明することができる。例えば、純資産残高1位の「ひふみプラス」の過去3年間の値動きは、以下のように分解可能だ。同ファンドの3年分のα値とβ値を対東証株価指数(TOPIX)で算出すると、それぞれ0.013、0.605となる。

平均リターンを分解すると「0.013(α値)+0.605(β値)×0.0083(TOPIXの平均リターン)」≒0.018だ。

ファンド固有の値動きを示すα値は0.013と高めで、市場に連動する動きを示すβ値は0.605と低めだ。同ファンドはファンド固有の値動きがファンドの運用成績を押し上げており、銘柄選別が奏功したといえる。

■アクティブ型でもTOPIXに近い値動きも

一方で、数値の面でこれとは対照的なファンドもある。純資産残高9位の「ノムラ日本株戦略ファンド」の過去3年間の値動きがそうだ。

平均リターンを分解すると「0.001(α値)+1.004(β値)×0.0083(TOPIXの平均リターン)」≒0.009となる。

α値は0.001とかなり小さく、β値は1.004とほぼ1に近い。これは同ファンドの値動きがTOPIXにかなり近いことを示している。

一般に「ひふみプラス」のようにα値が高くβ値が低いファンドは特色ある銘柄選別をしていると判断できる。こうしたファンドは市場全体を上回るパフォーマンスが期待できる一方、組み入れ銘柄の動きによっては市場全体を下回るパフォーマンスになる場合がある。

■値動きで変化への対応力がわかる

また、「ノムラ日本株戦略ファンド」のようにβ値が高いファンドは市場全体への連動性が高いので、相場全体が上昇しそうな場合に有利な投資先になる場合もある。銘柄選別で特色があるファンドでは相場全体の上昇に乗り遅れる可能性があるからだ。

α値やβ値からファンドの値動きの一端を知ることで、そのファンドのマーケットの変化への対応力が見えてくる。

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