スーパー銭湯アイドル「純烈」 ムード歌謡で女性魅了
平均年齢39歳の5人組歌謡コーラスグループの純烈が、「スーパー銭湯アイドル」という独自のポジションを確立。中高年の女性を夢中にさせている。踊れるムード歌謡という独自のスタイルで、年間200回以上の公演をスーパー銭湯や健康センターなどで開催。昭和風情の漂う情感たっぷりの楽曲と、平均183センチの高身長を生かした華麗なダンスが人気で、どの会場もマダムたちであふれ返る。
純烈の制作担当、日本クラウンの久保隆氏は「スーパー銭湯が彼らにとってのライブハウスなんです」と言う。「距離が近いのでお客さんの表情がよく分かり、満足してもらえないお客さんからは即ツッコミが入る(笑)。そんな環境で、もまれながら成長してきました」(久保田氏、以下同)。
毒蝮三太夫をほうふつとさせる毒舌満載の客イジリを盛り込んだMCも人気で、「誰かがお客さんをイジり出したら、うまく乗っかっていくメンバー、最後はそれをなだめるメンバーと、チームプレーの完成度も一級品です」。
15年からは、年に2回ペースでホールクラスの会場でもライブをスタート。17年11月には1500人を収容する東京・国際フォーラムホールCで、昼夜2部制で公演を開催した。夜の部は、純烈のグループ結成秘話をミュージカル仕立てのストーリーに仕上げ、芝居と歌をメンバー全員が熱演した。「スーパー銭湯では、お客さんと一緒にワイワイ盛り上がりながら楽しんでもらい、ホールでは生バンドを従え、普段の彼らとは違う、洗練されたショー形式で見せることを心掛けています」
彼らの目標は、『NHK紅白歌合戦』に出場すること。17年末も出場を目指したもののかなわず、『スーパー銭湯でカウントダウンライブをやろう!』ということになったそう。「12月31日は、神奈川・相模の、なじみのスーパー銭湯で年を越しました(笑)」
この前向きなスタンスこそが、マダムたちの心をとらえて離さない理由なのかもしれない。
(ライター 中桐基善)
[日経エンタテインメント! 2018年3月号の記事を再構成]
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