STU48、デビューの意気込み 拠点は「瀬戸内」7県
AKB48の国内6組目の姉妹グループとして17年3月に誕生したSTU48。瀬戸内海に面する7県と1つの海を拠点に活動をするのが特徴だ。1月31日にメジャーデビューを果たし、今後は船上劇場で公演を開催する予定。AKB48とSTU48を兼任するキャプテン岡田奈々。デビュー曲『暗闇』でセンターに立つ瀧野由美子、17年秋の『瀬戸内7県ツアー ~はじめまして、STU48です。~』で全7県でのコンサートに出演した土路生優里の3人が、デビューの意気込みを語ってくれた。
土路生「瀬戸内7県ツアーでは、『君のことが好きだから』という曲を県ごとの方言で歌って盛り上がりました。きっと親近感を持ってもらえたと思います。コンサートを重ねるごとに、笑顔が自然にできるようになりました」
岡田「瀬戸内7県ツアーは数百人収容の会場が多かったんです。AKB48劇場と同じぐらいファンの方を身近に感じられるアットホームな場所でコンサートができて、すごくうれしかったです。それに、AKB48のコンサートでは、例えばトロッコに乗ってお客さんの近くに行くとか、いろいろな演出があります。でも、今回のツアーはそういうものは一切なくて。だから、歌と踊りだけでいかにお客さんに楽しんでもらうかが重要だったので、難しかったけど自分たちの成長につながりました」
瀧野「指原(莉乃)さんが兼任解除を発表したこともあって、ツアー最終日の広島公演(17年11月)が一番印象に残っています。指原さんは『MCでは、なになにしましょー、と語尾を伸ばしたほうが、お客さんがノッてくれるよ』とか、いろいろアドバイスをしていただきました」
岡田「指原さんが『兼任解除後も、何でも相談してね』と言ってくれたので、コンサートのセットリストで迷ったら、相談したいです」
土路生「指原さんの兼任解除は寂しいですけど、STU48には(岡田)奈々さんがいるので心強いです。全国握手会のときに、奈々さんが参加しているAKB48さんのライブのリハーサルをSTU48全員で見学したんです。奈々さんは飛び抜けて全部に全力で。みんなで『かっこいいね』って、泣きじゃくりました」
岡田「みんな真剣に見ていてくれたのはうれしいけど、それって泣くところかな(笑)」
瀧野「あのときは、みんなで『私たちも奈々さんに負けないくらいに頑張ろうね』って声を掛け合っていたんです」
初ツアーを終えて深まる絆
メジャーデビューシングルのタイトルは『暗闇』。これまでのAKB48グループのデビュー曲とは異なるテイストのインパクトがある曲名を耳にしたときは、3人とも「驚きました」と口をそろえる。
岡田「実はタイトルとは裏腹に、メロディーはイントロからキラキラとしていて、すごく希望が見える曲なんです。青春時代の暗闇の中から、一生懸命に光を探そうとしている曲だと解釈してパフォーマンスしています」
瀧野「悩んでいる人の心に刺さって寄り添える曲だと思っていて、『故郷(ふるさと)捨てて僕は絶対暮らせないだろう/水平線見えなければ』という歌詞を聴いて、故郷を離れている方に『家族に連絡しようかな』と思ってもらえたらと思います」
岡田「みんなコンサートでかわいい笑顔ができるようになったけど、『暗闇』はもう一段階、深い表現力が問われる難しい曲だよね。みんなでこの曲の歌詞を読み込んで、話し合う場が設けられたらいいなと思っています。例えば、AKB48のデビュー曲『桜の花びらたち』が今でも大切に歌い継がれているように、『暗闇』も何年たっても愛される曲にしたいです。でも、ツアーを終えてメンバー同士の仲がますます良くなったよね。石田千穂ちゃんと門脇実優菜ちゃんがハグしていたり、磯貝花音ちゃんと藤原あずさちゃんも、いつもくっついていて(笑)。そんな様子を眺めているのが好きです」
土路生「奈々さんがそういう様子を見て、うれしそうにしているのを、こっそり写真に撮ってSNSにアップしています(笑)。『STU48のセトビンゴ!』(日本テレビ系・関東地区での初冠番組)も始まってメンバーと一緒にいる時間が増えたので、ぐいぐいとお互いに踏み込み合って、団結力が高まっているんです」
岡田「確かに、オーディションの直後とは雰囲気が変わったよね。最初はとにかく与えられたレッスンに食らいついているだけだったのが、今はどうしたらファンの方に喜んでもらえるかを、みんなで考えられるようになったと思う」
土路生「もっとSTU48らしさを出していきたいけど、そのためにも早く私たちの劇場で公演をやってみたいです」
瀧野「私も1日も早く劇場が完成に近づくといいなと思っています。奈々さん、劇場ができたときのアドバイスはありますか?」
岡田 「すべてのお客さんに楽しんでもらうために、公演が始まる前に、劇場の1番後ろと最前列の席に座って、どうステージが見えるかを知っておくといいよ」
STU48とは?
国内6番目のAKB48グループとして2017年3月に誕生。「瀬戸内」エリアを本拠地とし、「1つの海、7つの県」を股にかけるAKB48グループ初の広域アイドルグループ。瀬戸内(SeToUchi)の頭文字からSTU48と命名される。同年9月より、瀬戸内7県を巡るライブツアー「STU48瀬戸内7県ツアー ~はじめまして、STU48です。~」を開催。18年1月にはAKB48劇場で出張公演を実施した。AKB48とSTU48のキャプテンを兼任する岡田奈々と、第1期生のオーディションで合格した30人の計31人で構成。瀬戸内7県出身メンバーは23人。平均年齢は16.8歳。1月31日に『暗闇』でCDデビュー。今後は瀬戸内海を主とした船上劇場で公演を開催予定。AKB48グループで専用劇場での公演が始まる前のCDデビューは初。(数字は1月中旬現在)
(ライター 高倉文紀、日経エンタテインメント! 伊藤哲郎)
[日経エンタテインメント! 2018年3月号の記事を再構成]
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