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子どもの写真投稿に注意 塾、電柱、運動会で個人特定

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日経DUAL

子どもがSNS(交流サイト)での犯罪被害に遭わないために、親は何を知っておくべきなのでしょうか。地域の安全や犯罪予防を研究する小宮信夫立正大学教授が、実際の事件や事故を基に検証しながら解説します。

◇  ◇  ◇

――2017年10月、神奈川県座間市で起きた連続殺人事件は大変ショッキングでした。この事件で殺人犯と被害者を結んだ接点はSNSでした。こういった危険から子どもの身を守るには、どうすればよいのでしょうか。

SNSの投稿が殺人のきっかけを生む

SNSがらみの事件は、街中で起きる事件とは違うように見えますが、実は原則は同じ。「危ない場所を見分ける2つのキーワード」がカギになります。

・入りやすい場所

・見えにくい場所

では、SNSにおいての2つのキーワードについて考えてみましょう。

まず、「入りやすい場所」について。「入りやすい」とは、誰でも自由に参加できるということです。身元を明かして審査を受け、それにパスしないと参加できないようなサイトであれば、「入りにくい場所」と言えます。

一方、ハンドルネームで会員登録できたり、身元を隠したままで書き込めたりするようなサイトは、「入りやすい場所」。アクセスできるサイトを制限するフィルタリングソフトを使えば、多少入りにくくできますが、それにも限界があります。

次に、「見えにくい場所」ですが、お子さんがスマホを使ってSNSで書き込みをしても、親がそれをすぐに察知することはできませんよね。SNSに匿名やハンドルネームで参加している人は、実際はどんな人だかさっぱり分かりません。優しい言葉をかけてくれる人が、実際には子どもを狙った常習犯かもしれません。

書き込みをしている個人を特定できないサイトは、「見えにくい場所」と言えます。なりすましやアカウントの乗っ取りなどが可能なSNSは、基本的に「見えにくい場所」なのです。

こういう場所は、「城壁の外」に当たります。城壁の外は常に危険にさらされているので、安心していてはいけませんね。そこには、犯罪が成功しそうな誘惑がたくさんあり、犯罪者たちは獲物を探し回っています。

ですから、そんな場所で安易に助けを求めると、親切な人の目に留まるだけでなく、犯罪者につけ込まれるきっかけにもなりかねません。犯罪者のターゲットにならないように、自分の発言には十分気を付ける必要があります。

SNSで個人情報を盗まれないために気を付けること

SNSを使ううえでもう一点気をつけたいのが、個人情報を盗まれてしまわないこと。SNSの世界には、個人情報を盗み出して悪用しようと企んでいる人がたくさんいます。お子さんがその被害に遭わないよう、注意しましょう。

では、SNSに何を書くと、個人情報を盗まれてしまうのでしょうか。もちろん、自分の本名や学校名、住所や電話番号、メールアドレスなどを書くのはNGですし、そんなことはもう誰でも知っているから書かないでしょう。しかし、それ以外のこと……例えば自分が住んでいる地域や最寄りの駅、よく行く店の名前などは、不用意に書き込んだりしていませんか。

このような情報は、それ単体では個人を特定することはできません。しかし、「最寄り駅は○○」「よく行く店は○○」「その店に行くのは○○時ごろ」というように、その人の投稿を集めて他の情報と組み合わせることによって、個人を特定できてしまうことがあります。これを「モザイク・アプローチ(=断片的な情報をジグソーパズルのように組み合わせることで個人を特定していく方法)」といいます。

たとえ投稿の書き込みを慎重に行っても、写真を投稿することによって多くの情報が流出してしまうこともあります。例えば「今日から学校です」という投稿と一緒に「制服」や「カバン」を投稿すると、通っている学校が分かってしまうかもしれません。「筆箱に書かれた名前」「塾のバッグ」「駅のホーム」「運動会」などからも、情報を導き出せます。「電信柱」や「自動販売機」には住所が表示されている場合がありますし、「バス停」や「病院」「社員証のネックストラップ」も、個人を絞り込むのに有効な情報になります。こういったものは、気づかないまま写真に写り込んでしまうことがよくあります。

SNSは全面的に禁止すべき?

――SNSは危険な場所なんですね。では、すべてのSNSを禁止すればよいのでしょうか。

SNSは便利で楽しいもの。現代人にとっては重要なコミュニケーション・ツールです。これらすべてを禁止するのは、得策ではありません。ただ、使うのであれば、そこにどんな危険が潜んでいるのかということを、しっかり意識することが大事。危険な場所にいるのに危険だと意識していないことが一番危険なのです。そうならないために必要なのは、「景色解読力」です。

LINEのように相手が特定できるSNSで、決まったメンバーだけのグループで話すのであれば、そこは「入りにくく見えやすい場所」ですから、それほど気を付ける心配はありません。今、自分がいるサイトが「入りにくく見えやすい場所」なのか、それとも「入りやすく見えにくい場所」なのかをしっかり見極め、それに応じて警戒レベルを上げ下げすることが大切です。

それと、もう一点注意したいのは、気を付けるべきはお子さんだけでなく、大人も同じだということ。お子さんのかわいい写真を見せたくて、SNSにアップする方も多いでしょう。その行動自体をNGと言うつもりはありませんが、写真を出すことが、悪意のある第三者にどのような反応を引き起こすのかも想像してみてください。嫉妬や妬みが犯罪の引き金になることも忘れないでください。

少なくとも、写真を投稿するときは、写真についている位置情報は削除することを忘れずに。最近、SNSのほうで写真の位置情報を削除するようになってきてはいますが、ブログなどでは位置情報が残ることもあるようですので、念のため確認しておきましょう。

小宮信夫
 立正大学文学部教授。社会学博士。日本人として初めて英国ケンブリッジ大学大学院犯罪学研究科を修了。国連アジア極東犯罪防止研修所、法務省法務総合研究所などを経て現職。「地域安全マップ」の考案者。警察庁「持続可能な安全・安心まちづくりの推進方策に係る調査研究会」座長、東京都「非行防止・犯罪の被害防止教育の内容を考える委員会」座長などを歴任。代表的著作は「写真でわかる世界の防犯 ――遺跡・デザイン・まちづくり」(小学館)。

(ライター 井上真花)

[日経DUAL 2018年1月29日付記事を再構成]

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