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投資で覚えたい 景気と金利・株価の関係(窪田真之) 楽天証券経済研究所所長兼チーフ・ストラテジスト

2018/2/27

いずれ景気後退はやってくる。写真はイメージ=123RF
「世界同時株安の背景には米国金利の上昇がある」

2月の株式相場は大荒れでした。米国株が急落し、日本株を含めて世界同時株安に見舞われたからです。米国ではインフレ率が上昇しつつあることがわかり、米連邦準備理事会(FRB)の一段の金融引き締め観測が台頭。長期金利が上昇して3%に近づくと、カネ余りによる世界的な「過剰流動性相場」の終わりが意識されました。

株式の売りの主体は、先物やオプションなどのデリバティブ(金融派生商品)を駆使して運用するファンドでした。足元ではデリバティブ絡みの売りは一巡し、相場は落ち着きを取り戻しつつあります。

ただ、これで今回の混乱が終わったと判断するのは早計です。米長期金利の上昇が収まっていないからです。3月21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では追加利上げの決定がほぼ確実視されています。市場コンセンサスでは年内、3回の利上げが予想されていますが、果たして世界の株式市場は耐えられるのでしょうか。

■景気の過熱期に入ると金利高で株価は下落

景気循環と金利・株価には、一般に図に示したような関係があります。すなわち、景気拡大の初期は金利が低いままなので株価は上昇します。景気拡大の中期になると、金利が上昇し始めますが、株価はしばらく上昇を続けます。それが景気の過熱期になると、金利上昇が鮮明となり、株価は下落に向かいます。景気後退期はこれを逆に考えればいいと思います。

すべての景気循環で成り立つわけではありませんが、株式運用を考える上で、こうした動きを頭に入れておく必要があります。それを踏まえて現状を見てみましょう。注目の箇所を青緑の線で囲みました。

日本も米国も、昨年から景気拡大の中期に入っていると思います。日本は中期でもインフレ率は低く、日銀が長期金利をゼロに抑え込んでいるので、株価が上昇しやすい環境が続いています。ところが、米国はやや事情が異なります。

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