つみたてNISA 運用会社は暴落で買うか(澤上篤人)さわかみ投信会長

日経マネー

写真はイメージ=123RF
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澤上篤人氏(撮影:大沼正彦)

澤上篤人(以下、澤上) 2018年1月からつみたてNISA(少額投資非課税制度)が始まった。一般生活者が財産作りをしていくにあたっては、長期の積み立て投資ほど有利なものはない。

それが故に、1999年8月24日に「さわかみファンド」を設定するや否や、積み立て投資の導入準備を始めたわけだ。当時、どの証券会社も系列の投信委託会社をフルに活用して、次から次へと新ファンドを設定させては、手数料稼ぎの乗り換え営業を進めるのが常道だった。長期の財産作りをお手伝いするなんて考えは、そもそも存在しなかった。

そんな投信業界の中で、さわかみ投信が本格派の長期保有型投信を日本に広めていこうといって立ち上がった。当然のことながら、さわかみファンドにおいては何が何でも積み立て投資の制度を導入すべきだということになった。それで、あちこちを駆けずり回って投信の積み立て購入制度というものを築き上げたわけだ。

言ってみれば、我々が投信の積み立て購入サービスの本家本元である。その本家から見ると、最近の積み立て投信ブームには、思わず笑ってしまう。今回はそのあたりを草刈と話し合ってみよう。

非課税だけに踊ってはダメだ

澤上 そもそも、どの投信会社も顧客に対して、20年、30年にわたって長期の財産作りをお手伝いするのだという覚悟と自信がなければ、投信の積み立てサービスなど意味がない。絶対にやってはいけないことだ。

草刈貴弘(以下、草刈) 何だか今回はやけに気合いが入ってますね。やはり長期で資産形成をする意味に気付かないことへの憤りですか。

澤上 そうだ。金融庁が旗を振っている「つみたてNISA」に猫もしゃくしも群がっているのは異常である。つみたてNISAが20年という期間限定の非課税措置だから、それに付き合おうという程度なら短絡的にすぎる。投資運用会社としての識見も誇りもない、お粗末極まりない経営判断といえよう。

草刈 結局は非課税措置が長いというのだけがクローズアップされてしまっていますからね。長期の資産形成に適合するファンドを金融庁が選ぶという点が画期的だったわけですが。結局はそれも基準に合わせてしまえばOKとなってしまいましたからね。

澤上 非課税などに踊ってはダメだ。なぜかって? 本格的な長期投資をしていると、15年から20年あたりというのは一番の踏ん張りどころとなるからだ。再投資による複利の雪だるま効果がグーンと効き始めてくる。そんな大事なところで、非課税措置につられてファンドを売却するなんて、もったいないもいいところである。

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