雪の被害、火災保険でカバー 条件や免責額を再確認

日経マネー

画像はイメージ=123RF
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大雪になると、雪国でない地域でも思わぬ損害を被ることがあります。関東甲信を中心に記録的な大雪に見舞われた4年前を振り返ると、東京でも雪の重みで雨どいが落ちたり、カーポートが破損したり、その結果クルマが傷ついたりといった被害を方々で耳にしました。めったにないことではあれ、住宅やクルマの突発的な修理は家計にとって手痛い出費です。

さて、そうした雪が原因の住宅や家財の損害は、火災保険でカバーできることをご存じでしょうか。

契約している保険が「雪災」を補償対象としていることが前提ですが、雪災をあらかじめパッケージしている火災保険は多いのです。ただ全てではないので、自分の契約がどうなのか一度確認しましょう。

損害保険金とは別に、後片付けの実費などをカバーする残存物取り片付け費用や、損害保険金の10~30%程度の「費用保険金」が受け取れるものも一般的です。これらが契約に含まれていれば、実際の損害額を上回るお金が受け取れることも少なくありません。

住宅だけでなく、付属設備に被った損害でも保険金が受け取れます。例えば前述のカーポートの他、塀や物置などに生じた損害も対象です。これらは自動的に補償対象となるので、契約時に申し出なくても大丈夫です。一方、マイカーは火災保険上の家財には含まれません。雪による損害を受けた場合には、自動車保険に付帯する車両保険でカバーすることになります。

また、雪災を補償対象とする火災保険であっても、損害額を丸々カバーできないことがあります。例えば免責金額(自己負担額)を設定した場合。免責金額が高いほど保険料は安くなりますが、被災時に免責金額に満たない損害は請求できず、超えた場合でも損害額から免責分を控除した金額が受け取れる保険金になります。

あるいは、敷地ごとの損害が20万円を超えた時だけ請求可能とするものもあります。免責金額と異なり、20万円を超えれば損害の全額がカバーされますが、20万円に満たない場合の補償はありません。

民間保険の他、生協が取り扱う火災共済にも雪の被害で共済金などを受け取れるものがあります。

「全労済の住まいる共済」は10万円超の損害が対象で、損害額ではなく損害の程度に応じた契約口数当たりの共済金が受け取れる仕組みです。例えば共済金額(建物の再調達価額)が2000万円の場合、受け取れる共済金は最大でも約58%(1150万円)なので、大きな被害を受けると、共済金のみでの原状回復は難しくなります。

清水香
生活設計塾クルー。学生時代から生損保代理店業務に携わり、2001年、独立系FPとしてフリーランスに転身。翌年、生活設計塾クルー取締役に就任。『地震保険はこうして決めなさい』(ダイヤモンド社)など著書多数。財務省「地震保険に関するプロジェクトチーム」委員。

[日経マネー2018年4月号の記事を再構成]

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