まずはいろいろな既製服に袖を通してお気に入りの一着を見つけるといいだろう。次に「好みのスーツのサイズを直し、自分のものにしていくのが王道」(高倉さん)。お直し代は1万円程度を考えればよい。「予算が10万円なら商品代を9万円にして、袖口などを直して、ジャストサイズにこだわってほしい」という。
スーツスタイルは「TPO(時、場所、場合)が全て」と高倉さんは言い切る。目立つ必要はなく、スーツも紺、ストライプ入り紺、グレーと「王道の3色」を持つことだ。特にグレーは落ち着いた雰囲気を醸し出し、顧客との応対に適しているそうだ。
お薦めは、タケオキクチのグレー無地のスーツ(8万5320円)、「バークレイ」の紺無地(8万5320円)、「gotairiku」のストライプ入り(9万6120円)。
■大丸 先輩のスタイルをまねよう

大丸東京店(東京・千代田)の営業推進部バイイングスタッフ、城田剛さんは「年齢の近い先輩たちがどのようなスーツを着ているかを観察して」とアドバイスする。金融、ファッションなど、業界ごとに許されるオシャレの範囲はおのずと異なるからだ。
ワイシャツも白色のほかに、ボタンダウンやクレリック(襟とカフスが白、身ごろが異なった色のシャツ)をそろえておくとよいという。同期にちょっとだけ差を付けるのに役立ちそうだ。
「就職活動に使った濃いめの紺か、黒無地のスーツに加えることを考えて、新しいスーツを選んでほしい」と語る。
お薦めは同社PB「トロージャン」。米国流の既製服づくりの手法を取り入れて1959年にスタートした。現在では身長、体形とフィット感を掛け合わせた40のサイズから選ぶことができる。イチ推しは国産生地を使った紺無地スーツ(5万4000円)。「海外の高級生地に比べて強度があり、動き回る新社会人にぴったり」と推す。
(松本治人)
関連記事「課長・部長に昇進したら身につけたい『装い』アイテム」もあわせてお読みください。
SUITS OF THE YEAR 2022
3年ぶりの有観客開催となる華やかな授賞式の模様をYouTubeライブで生配信。 スペシャルな受賞者のスーツの着こなしにご注目ください。