足で稼げる歩数計アプリ 1日8000歩でクーポン券も医療保険、電力の割引 家の中でもスマホ離さず

2018/3/1

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写真はイメージ=PIXTA
写真はイメージ=PIXTA

スマートフォン(スマホ)の歩数計アプリで割引や優待をするサービスが増えている。数十万人がダウンロードした人気アプリもある。このところ運動不足の記者(23)も足で稼いでみた。

まず最北の日本百名山、北海道の利尻岳(1721メートル)を単独で踏破した。といっても本物の冬山ではなく、牛丼チェーン、吉野家の歩数計アプリ「歩く割アプリ」で割引券がもらえるキャンペーン「日本百名山巡り」での話だ。一歩65センチで計算すると利尻岳に登って下りるまでに1万6769歩を要する。この歩数を歩けば踏破ということ。

厚生労働省によると20代男性の1日平均歩数は8583歩。2日あれば利尻岳を踏破できるはずだったが記者は5日もかかった。しかも割引券は出てこない。さらに6日かけて羅臼岳(1661メートル)、斜里岳(1547メートル)など4峰にアタック。ようやくスマホ画面に「黒カレー50円引き」の割引券が表示された。

どのくらい歩くと、どんな割引券が出るのか明かされていないが、吉野家によると「1日8000歩のペースで歩けば少なくとも週1回は割引券が出る」。百名山はキャンペーン第3弾。2016年7月以降、30万人以上がアプリをダウンロードした。

吉野家の歩数計アプリは30万ダウンロードを超える人気に

スマホ向けシステム開発のネオスの「RenoBody」も人気がある。1日8000歩を歩けばだれでも1円相当の「WAONポイント」がもらえるからだ。電子マネーWAONに交換してスーパーのイオンなどで買い物ができる。

このアプリは歩行による消費カロリーや、ダイエットの目標体重までに必要な歩数の目安も教えてくれる。例えば体重80キロの30代男性が75キロに3カ月で落としたい場合の歩数は1日9351歩。ダウンロード数は約23万にのぼる。

各種サービスの契約者を対象にした歩数計アプリもある。入院などの費用を保障する医療保険では、よく歩く契約者の保険料を割り引く商品が出てきた。東京海上日動あんしん生命保険の「あるく保険」は、1日平均で8000歩以上という条件で契約者に保険料の一部を還付する。

例えば30歳男性が入院1日当たり1万円の保険金が出る契約をすると保険料は月2950円。条件を満たすと2年後に2400円が返ってくるので約3%割引になる。

新電力のイーレックス・スパーク・マーケティング(東京・中央)のアプリ「あるく・おトク・でんき」は、歩けば歩くほど電気料金が安くなる。歩数と消費カロリーを計測できる「活動量計」を身につけ、そのデータをアプリに取り込んで使う。活動量計は各世帯にひとつ。家族のうち、その日に最も多く歩きそうな人が付ければいい。

同社によると、東京都内の4人家族のモデル世帯の電気使用量は月450キロワット時で、電気料金は1万2648円。ここから1日平均5000歩以上の世帯は月200円、同8000歩以上なら月400円が割り引かれる。

同社は2月から東北、九州、中国、四国の各電力エリアでも営業を開始。北海道、北陸、沖縄を除く全国で契約できるようになった。

歩数計アプリで歩数を増やすにはどうすればいいだろうか。できるだけ階段を使うのはもちろん、自宅や会社の一駅前で降りて歩くのも有効。このほか、家の中でスマホを肌身離さず持っておくのも意外に効果が大きそうだ。厚労省は「外出しない日も家の中だけで2000歩近くは歩いているのでは」とみている。

無料アプリはとりあえずダウンロードしておけばいいと思いがちだが、常時歩数をカウントするのでスマホ電池が減りやすい。試してみて気に入ったアプリだけ残すのがいいかもしれない。

ちなみに吉野家の黒カレー割引券は2週間有効。自宅の最寄り駅には吉野家がないので、会社帰りに地下鉄をわざわざ一駅乗り越した。交通費を考えると実は赤字なのだが、自分の足で稼いだ割引券を使うという高揚感のためか、ほとんど気にならない。もちろん自宅までは一駅歩いて帰った。

(田村匠)

[NIKKEIプラス1 2018年2月24日付]