キツネとフクロウの雪上ダンス 遊び?それとも決闘?
カナダのハドソン湾で、珍しい光景が撮影された。映像の主役は、シロフクロウとホッキョクギツネ。まるで遊んでいるかのように、キツネとフクロウがお互いの周りを回り合っている。その光景は、1週間も続いたという。2012年の11月のことだ。
「フクロウはおおかたキツネを無視しているのですが、ときどきキツネをからかったり、刺激したりしているようにも見えました」と話すのは、動画を撮影したデビッド・ブリッグス氏。アークティック・キングダムというツアー会社で探検旅行を引率している。
フクロウとキツネは遊んでいたのだろうか。スウェーデンのストックホルム大学でホッキョクギツネ・プロジェクトを率いるアンダース・アンガービョルン教授によると、「おそらく違う」という。遊ぶという行為は、大人の野生動物にとっては非常にぜいたくなことで、たいていそんな余裕はない。同氏は、キツネとフクロウは争っていたのではないかと考えている。
ホッキョクギツネとシロフクロウは、どちらもレミングなどの小動物を主なエサとしている。そのため、たくさん食べるための最善の方法は、競争相手を追い払うことだ。「自分の縄張りを守ろうとしているのです」とアンガービョルン氏は説明する。「お互いのことを気に入っているわけではありません」
(日経ナショナル ジオグラフィック社)
[ナショナル ジオグラフィック 2018年1月15日付記事を再構成]
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