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金融トラブル あなたの財産を最後に守る2つの方法 金融トラブルをマネーハック(4)

2018/2/26

写真はイメージ=123RF

 今月のマネーハックでは、怪しい金融商品のトラブルに巻き込まれないための方法を解説してきました。最後に、どうしても見分けられなかった場合も、そのダメージを最小限度に抑えるためのノウハウを2つ紹介したいと思います。

 金融商品のトラブルは、大まかに分けると「法律で販売は許されている商品であるが、仕組みが複雑である」ようなケースと、「そもそも商品自体が不法であり、販売が許されていない」、つまり金融詐欺に該当するケースに分けられます。

■怪しい金融商品を見分けられると思うな

 特に気をつけたいのは後者で、もともとあなたのお金をだまし取ろうと考えているわけですから、回収の可能性も極めて低くなります。

 このとき、「勉強して見分けられる知識を得よう」と意気込むことは大事なのですが、「自分ならきっと見分けられる」と過信しないこともまた大切です。

 もともと、詐欺を働こうとする業者ほど、販促用のパンフレットやウェブサイトはしっかり作り込んでいて、セミナーイベントも華やかなことが多いものです。ウソであると見破られないようにすることに全力を注いでいるからです。

 詐欺では預かったお金をそのままもうけとするわけですから、普通の金融商品と比べて販促費をたくさん確保できるという裏事情もあります。詐欺とは断じられなくても法律すれすれで営業している業者などは金融庁の検査がきても、だましきるぞ、という覚悟でビジネスをしています。個人が少し勉強したくらいで見分けられると思わないほうがいいのです。

 では、そうした個人の対策はないのでしょうか? 2つあります。

■少しでも怪しいと思うなら手を出さない

 まず第1は、少しでも「怪しさ」や「うさんくささ」を感じたときにはすっぱり話を打ち切り、手を出さない、ということです。また、商品の仕組みなど、どうしても分からないことが残る場合にも契約しないことが大事です。

 だまされる人、失敗する人のほとんどは「よく分からないことがいくつかあるけど、でもまあいいか」とついつい契約してしまう人です。こうした人は「販売員は信頼できそうな人だし」とも考えがちなのですが、前々回のコラム「金融トラブル回避 『熱心な販売員』にほだされるな」でもお話ししたとおり、安易に人を信頼することはNGです。

 いったん話を聞き始めてしまうと、中断することは今までの時間が無駄になったようでなかなか決断できません。しかし、勇気を出して「もう少し考えます」といって間を置きましょう。決してずるずると契約をしてしまうことのないようにしてください。

 手を出さずにもうけ損なうことはあるかもしれませんが、手を出さなければお金を失うことは絶対にありません。「手を出さない」のも大事な投資戦略なのです。

■買っても高額にしないというルールを守る

 第2は「高額の購入をしない」ということです。たくさん配当金を得たいとか、たくさん含み益を獲得したい人ほど高額の資金を投じてしまいます。

 毎年何件か生じる、金融詐欺のトラブルをニュースで見ていると、被害者がテレビカメラに向かって「老後のお金はゼロになってしまいました」と涙ながらに訴えています。おそらく退職金を全額投じてしまったのでしょう。実はその判断こそが最大の過ちなのです。

 どんな状況であってもとにかく「財産の全てを渡さない」ことが最後の防衛ラインです。仮に退職金の25%にとどめておけば残りの75%は老後の財産として死守できるわけです。

 詐欺商品を見分けることが難しいとしたら、「買わない」という判断か「買うとしても金額は控えめにする」という判断が、最後の最後であなたの財産を守ってくれることになるのです。

 ここまで説明してきたポイントを守れば、ほとんどの金融トラブルからあなたは逃れられるはずです。

■相手は常に最新の商材を用意し、だまそうとする

 しかし、相手もさるもので常に最新の商材を用意し、あなたをだまそうと狙ってきます。

 例えば、近年では仮想通貨のトラブルが増えているそうです。「現物のビットコインが今なら○万円で購入できます。本物ですから安心です」とコインを見せられたらどうでしょうか。「ちゃんと形があればハッキングの被害にあわないかも」なんて思った人は注意してください。

 ビットコインには「フィジカルビットコイン」といって読み取り用のQRコードが貼ってあり、スマートフォンのウォレットに入金できるコインも存在します。しかしながら、まったくのおもちゃのコイン(ネット通販で数百円で買えます。もちろん本来の価値はありません)も出回っており、こうしたものが詐欺に利用されないとは限りません。あなたや家族がこうしたトラブルに巻き込まれないようにしてください。

 最後に、今月最初に紹介したフレーズをもう一度紹介してこのテーマを終わりにしたいと思います。安易に「いいカモ!と思ったら、あなたはいいカモ」なのです。

マネーハックとは ハックは「術」の意味で、「マネー」と「ライフハック」を合わせた造語。ライフハックはIT(情報技術)スキルを使って仕事を効率よくこなすちょっとしたコツを指し、2004年に米国のテクニカルライターが考案した言葉とされる。マネーハックはライフハックの手法を、マネーの世界に応用して人生を豊かにしようというノウハウや知恵のこと。
山崎俊輔
 AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に『誰でもできる 確定拠出年金投資術』(ポプラ新書)など。http://financialwisdom.jp

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