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主婦経験もキャリア 10年の空白越え再就職、柔軟に

2018/2/27 日本経済新聞 朝刊

打ち合わせをするポピンズの佐藤夕蘭さん(中)=東京都渋谷区

 結婚・出産を機に仕事を辞め、長期間子育てに専念してきた女性が再就職を果たす例が増えている。仕事から長く離れ、日々の時間の制約があっても、意欲や経験があれば採用に前向きな企業が増えているからだ。不安を乗り越え、自分らしい働き方を手に入れた女性たちを追った。

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■キャリアと子育て、両方の経験を生かすことにやりがい

 「就職先があれば、どんな仕事でもやろう」。9歳、6歳、4歳の3人の子を育てる佐藤夕蘭さん(37)が、再就職に向け活動を始めたのは末子の幼稚園入園を控えた2017年2月。仕事と家庭の両立に悩んだ20代後半、勤めていた人材会社を辞めて10年がたっていた。「条件が厳しいのは分かっていたが、まずは動こうと思った」

 人材会社2社に登録し「週3日、10時間」勤務の仕事を探した。魅力を感じたのが、ワリス(東京・港)を通じて紹介された保育大手のポピンズ(同・渋谷)の仕事。育児コンサルタントのとりまとめ業務だった。

 面接では人材会社時代のコンサルタント経験に加え、主婦としての地域活動の実績を訴えた。「主婦コミュニティーづくりやバザーの運営など、ボランティア活動もキャリアとみてもらえた」。子育て経験をいつか仕事に生かしたいと、保育士資格を取ったことも評価された。

 4月から契約社員として週3日働き始めると、キャリアと子育て経験の両方を生かせることに、やりがいを感じた。仕事ぶりが認められ、11月に正社員に。朝9時半~夕方5時の時短で働く。「長期間仕事を離れていると自分には何もできないと不安になるけれど、そんなことはない。どんな経験も自分次第でキャリアにつなげられる」と話す。

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■「両立できる時代になった」と実感

 女性活躍の機運と人手不足感の高まりで、女性の就業率は上昇が続く。総務省の労働力調査によると、17年の15~64歳の女性の就業率は67.4%と比較可能な1968年以降で最高だ。5年前と比べ6.7ポイント上がった。「出産しても働き続ける女性が増えたうえ、再就職して働き出す人も増えている」と第一生命経済研究所の的場康子上席主任研究員は指摘する。

 一方で、就業を希望しながら求職活動をしていない女性は262万人にのぼる。「仕事の空白期間があるから無理、と自分で壁をつくっている人は依然多い」と再就職支援にあたる埼玉県女性キャリアセンターの担当者は話す。

 「履歴書ひとつ、どう書いたらいいか分からない。支援が必要だった」。07年にアパレル会社を退社し、2人の子育てに専念していた瀬川あきさん(45)は、次女が幼稚園に入ったのを機に再就職に動き出した。

 17年10月に派遣会社のパソナに登録。「担当者とのやりとりを通じて、大人同士の会話に慣れることから始めた」。パソコンスキル研修にも参加。少しずつ不安が薄らぐ中、出産前に働いていた会社の求人に出合う。キャリアと人脈をいかせる仕事だったことが背中を押した。10年ぶりの仕事復帰を決意。11月から派遣社員としてフルタイムで働き、退職前と同じ卸業務を担う。

 保育園に通うようになった娘の送りは夫が担当。料理もするなど協力的だ。「子育てとの両方は無理と仕事を辞めてしまったけれど、両立できる時代になった」と瀬川さん。「家族と職場の人の支えに感謝している」と充実した表情で話す。

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