買っても安心? スマートスピーカー、便利な場面7選
初心者のためのスマートスピーカー入門(上)
アマゾンやグーグルだけでなく、オンキヨーなど音響メーカーからも続々と登場したスマートスピーカー。全く新しいジャンルだけにスマートスピーカーへの印象は十人十色だが、「価格が高い」「音声認識の精度が低い」「iPhoneでは使えない」といった噂を耳にした方もいるだろう。だが、これらの噂は正しいとは言えない。そこで、スマートスピーカーの真の姿を2回に分けて解説する。今回はスマートスピーカー単体で楽しめることを見ていこう。
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スマートスピーカーは、その機能の多さから高額に思われがちだが、実は「AI」の部分はクラウド上にあり、本体は基本的にスピーカーとマイクだけ。アマゾンやグーグルのエントリーモデルは約6000円と、コストパフォーマンスは極めて高い。インターネット回線が必須だが、自宅の無線LANに接続すればすぐに使い始められるため、スマホのような毎月の通信料金は一切かからない。
声だけで操作できるハンズフリーのメリットは無限大だ。キーワード検索や音楽再生はもちろん、照明のオン・オフなど、手が塞がっていてもすべて音声で操作可能。家でスマホを手にする頻度が劇的に少なくなる。
日本語の音声認識の精度も満足できるレベルになりつつある。「今日の天気は?」や「ニュースを教えて」といった定番の音声コマンド以外は伝わりづらいこともしばしばあるが、大抵は言い方を変えれば解決する。搭載されている音声アシスタントはクラウド上で学習を続けているため、認識精度も日々向上していく。
目覚ましから情報収集、音楽鑑賞や英会話学習まで、スマートスピーカーを使えば生活が大きく変わるはずだ。
スマートスピーカーが楽しい7つの理由
(1)思い付いたらすぐに聞ける
天気やニュースだけでなく、俳優や芸能人の年齢など、気になったことを即座に聞けるのがスマートスピーカーの真骨頂だ。スマホを手に取り、スリープを解除して、検索ワードを打ち込むといった手順はもう必要ない。
(2)ハンズフリーで使える
スマートスピーカーは、手が塞がっていても操作できる。例えば、調理で手がぬれていたり、荷物を抱えているときでもタイマー計測や照明の操作などが可能。ハンズフリーなので、さまざまな場面で「ながら操作」ができる。
(3)いつでも音楽を
曲名やアーティスト名を話すと該当曲が再生されるなど、音楽との相性は抜群。膨大な数の曲が聴き放題になる配信サービスがあるほか、ラジオ放送を聴ける機能もある。
(4)英会話の練習
スマートスピーカーの言語設定を英語に変えれば、英会話の練習にも使える。合成音声とはいえ「ネーティブ顔負け」の発音で、リスニングとスピーキングを鍛えられる。
(5)買い忘れがなくなる
例えば、冷蔵庫の中身を見ながら「卵をショッピングリストに追加して」と言うと、リストに卵が自動追加される。リストはスマホでも確認できるので買い物時に重宝する。アマゾンの音声アシスタント「Alexa」ならアマゾン商品の検索から購入まで可能だ。
(6)エンタメも充実
人気の約300曲が歌い放題になる無料のカラオケ機能や、ピカチュウなどのキャラクターと"会話"できる機能など、エンタメ系のコンテンツも充実。クイズや占い、ゲームなど、家族で楽しめるコンテンツがそろっている。
(7)日々、進化する
スマートスピーカーは、多くのユーザーの反応などをクラウドに吸い上げてAIで学習を行い、日々進化を続けている。サードパーティが提供する拡張機能も激増している。
素朴な疑問にQ&A形式で答えます
Q.設定は難しくない?
A.アマゾン、グーグルともスマホに専用アプリをインストールし、手順に従って、自宅の無線LANとの接続設定を進めるだけと導入は簡単。基本設定はほとんど迷うことなく完了する。
Q.どんな種類がある?
A.現状、国内では、アマゾンとグーグル、LINEの3社がスマートスピーカーを展開。音響メーカーなどのサードパーティからもアマゾンやグーグルの音声アシスタントを搭載した製品が発売されている。
Q.家族では使えない?
A.複数人でも共有できます。グーグルアシスタントはユーザーの声の違いを認識。最大6人までのユーザーを登録して、スケジュールや音楽機能などの使い分けが可能だ。アマゾンのAlexaは、2017年10月に米国で複数ユーザーに対応。いずれ日本でもアップデートされるとみられる。
Q.どこに売っている?
A.アマゾン エコーは通販専用。グーグル ホームは家電量販店などで販売されている。アマゾン エコーシリーズはアマゾンサイトのみの扱いで、招待メールを受けた人しか買えない。
Q.iPhoneでは使えない?
A.アマゾン、グーグルともiPhoneに対応しており問題なく使える。アップル製品でそろえたい人は、2018年春に米国などで発売される見込みの「HomePod」(349ドル)を待ってもよいが、日本での展開は未定だ。
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[日経トレンディ2018年3月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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