「事業を直接見るのは、これが初めてではありません。レンタルブログサービスの『アメーバブログ』の立ち上げの時も、同じように僕を頂点にした命令系統をつくりました。社員もあのときと同じだと受け止めているようです」

黒字化への道、頭のなかに

――収益面の見通しは。

アベマTVでは、「いちいち文句を言う人はいらない」という藤田氏

「現状は赤字です。2018年9月期は部門赤字です。黒字転換する時期など、収益の見通しは私の頭の中には入っていますが、あえて言わないようにしています。今は成長のための種まき時期で、今期は200億円を投じます。16年4月から2年半で500億円を投資する計画です」

「『黒字化が困難』などと批判されています。それは、逆にいえば他のテレビ局やメディアがそれだけアベマTVの成否を気にしているという証拠でしょう。ネットビジネスは既存のテレビ局や新聞社の発想ではうまくいきません。当社のようなネットを知っている者こそがメディア事業をやらないといけないと思っています」

――サイバーエージェントをどんな会社にしたいですか。

「通信などインフラ系のビジネスには興味がありません。ネット企業は、派手にお金を使って派手に稼ぐというやり方が一般的です。堅実なイメージのあるインフラ系ビジネスとは、価値観が違ってうまくいかないと思うから手を出さないんです」

「将来はアベマTVを含むメディア関連で売り上げの半分程度を稼ぐ姿が理想です。先日、楽天の三木谷浩史社長が携帯事業の新規参入を表明しました。ゼロからのスタートなのに、自前の通信ネットワークの構築に約6千億円もの巨費をつぎ込むという。この話を聞いたときは、経営者として勇気づけられました。アベマTVで資金を使っているといっても、せいぜい200億円です。ケタが違います」

仮想通貨は研究中

「将来の布石として仮想通貨や教育、金融なども研究しています。仮想通貨は、将来性を考えると経営者として何もしないわけにはいきません。ただ、大手仮想通貨交換会社がハッキング攻撃を受け、巨額流出事件が起き、我が事のように震え上がりました。今年は仮想通貨関連でもう一波乱、ふた波乱はあると思います。注意して動きを追っていきたいですね」

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