「人材確保が最も大事」と語る藤田氏

――採用されて、いきなり広告営業をできるのですか。

若手を放置、勝手に伸びる

「1990年代半ばから2000年代にかけてはネット市場が急成長していました。客先を回っていれば、何かしら受注できたいい時代でした。できて日の浅い若い企業だから、社内には教えてくれる先輩もいない。だから放置して、勝手に伸びていってもらった。会社として、社員に自分で目標を決め、自主性を持って動いてもらう仕掛けを色々工夫しました」

――どんな風に若手の「やる気スイッチ」を入れるのですか。

「例えば当社には半年に1回、部署ごとの目標を決め、社内報にしてその出来を競わせるコンテストがあります。部署全員で目標を決めることで意思統一が図れます。仲間と一緒に社内報を作りながら自分を見つめていると『目標を達成したい』という気持ちになってくる。そういうやる気を引き出すのが一番の狙いです」

「全社員が対象の表彰式もやります。新人賞など、いくつかの賞を用意し、やる気をさらに高めます。ただ、過度に会社側が演出するようだと表彰台に上がった社員は『会社にのせられている』と感じて一気に熱が冷めてしまう。そのあんばいが大事ですね」

――サイバーエージェントには、上昇志向が高い人材が集まり、猛烈に働くというイメージがあります。

「社風をひと言で表すと、大学生のサークル活動のようにワイワイがやがやとがんばっている感じです。むやみに威張り散らす上司はおらず、上の圧力で働かされているという感覚を持つ人もいないでしょう。自分の成長機会が会社の中にあると思っている人が多いと思います」

「私自身、社長は役割の一つだと思っているから、社員に偉そうに言ったり、威圧的な態度を取ったりすることはありません。少なくともパワハラ系ではないと思います(笑)」

渋谷の近くに住んで

――会社へのロイヤルティー(忠誠心)を高めるため、ほかにはどんな工夫をしていますか。

「会社は渋谷ですが、近くに住むような工夫をしています。当社には『2駅ルール』という規則があり、会社から2駅以内の近距離に住む社員には、月3万円の住居手当てを支給します」

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