砂漠の巨大な目、動く石、光る球 驚きの自然現象3選科学で迫る世界のミステリー

日経ナショナル ジオグラフィック社

この環は物体が衝突してできたクレーターだとする現実的な説もあるが、環の岩石を調査しても、その説を裏付けることはできなかった。現在では、純粋に地質学的な構造であり、ドーム状の岩石が時間とサハラ砂漠の厳しい環境によって侵食されてできたものとされている。中央の堆積岩は、10億年前の原生代末期まで遡ることができる。より侵食に強い珪岩が、目を丸く縁取っている。ドームは太古の昔に火成岩が地表の下から押し上げられてできたものかもしれない。

「サハラの目」は、宇宙からもはっきり見ることができる。宇宙飛行士にとって、いわばランドマークのような存在だ。宇宙飛行士でない人も、グーグルマップで確認できるので、「サハラの目」または「リシャット構造」で検索し、「航空写真」モードにしてみよう。縮尺をかなり小さくしないと見えてこない点からも、その巨大さがうかがえる。

デスバレーの「動く石」

米国カリフォルニア州のデスバレー国立公園には、レーストラック・プラヤという干上がった湖底があり、毎年多くの観光客が訪れる。そこでは、重さ300キロ以上の岩が、干上がった湖底に長い軌跡を描いて動いた跡が見つかるのだ。なかには1キロ近い長さの軌跡もある。だが、実際に動いているところを目撃されたことはない。

デスバレー、レーストラック・プラヤの動く石。地表に残された軌跡によって石が移動したことがわかる(jtbaskinphoto/Shutterstock)

これらの岩は、下り坂を滑って動いたわけではない。それどころか、ほとんどの岩はわずかな上り坂を上がっているのだ。風の力だけで重い岩がこれほどの距離を移動するとは考えにくい。軌跡の周りでは、人間や動物の足跡は見つかっていない。

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