砂漠の巨大な目、動く石、光る球 驚きの自然現象3選科学で迫る世界のミステリー

日経ナショナル ジオグラフィック社

ナショナルジオグラフィック日本版

サハラ砂漠にある巨大な環状の構造物。「リシャット構造」と呼ばれ、「サハラの目」の異名を取る(写真:NASA/JPL/NIMA)

世界には、自然がつくり出した驚くべき光景や、科学では説明できないような不可解な現象が多々ある。成り立ちや原因がわからないことから、未知の古代文明や宇宙人に由来すると疑われるものさえあるほどだ。ここでは、ナショナル ジオグラフィックの別冊『今の科学でここまでわかった 世界の謎99』から、人々を惑わせてきた謎の自然現象を3つ紹介しよう。

サハラの目

モーリタニアのサハラ砂漠に、直径約50キロという巨大な円形の構造物がある。「リシャット構造」と呼ばれるもので、「サハラの目」や「アフリカの目」の異名を取る。何層もの侵食された輪の中に、さらに何層もの輪があり、一面茶色の砂漠の中で明るい青色に輝いている。

想像力豊かな観察者は、「サハラの目」の丸い構造とプラトンが描いたアトランティスとの間に相関関係を見出す。プラトンは、対話篇『クリティアス』の中で、アトランティスは環状の運河と帯状の土地とに囲まれていたと述べている。

人工衛星から撮影した「サハラの目」。まるで瞳のように見える(写真:NASA Worldview)
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デスバレーの「動く石」