気づきにくいスマホ依存 オフラインの時間でチェック

来院する患者が依存症になった原因をみると、ゲーム、SNS、動画(ゲーム実況、ポルノ関連)が多いですね。治療の対象となるのは「過剰使用」「問題が明確である」という2つを満たしていることです。「問題が明確である」というのは、昼夜が逆転している、成績が下がる、学校に行けなくなる、食事をとらず痩せていく、といった症状がみられることを示します。

患者の3分の2は中学生、高校生ですが、最近は小学生、さらに30~40代の社会人も増えてきました。年齢層が広がっているんです。これはやはりスマホ依存が増えているからではないかと感じています。

特に、アプリゲームで見られる有料くじ引き「ガチャ」は依存の大きな要因になっています。大学生や社会人でこれにはまり、高額をつぎ込んだために家族に連れられてくるケースが少なくありません。課金額はピンからキリですが、ある40代の女性患者は遺産全てをガチャにつぎこんでしまって、2000万円以上払ってしまったそうです。1800万円ほど使ってしまったという男性患者もいました。もう桁が違います。

インターネットやスマホは普及からそれほど時間がたっていません。メンタルヘルスの相談窓口があっても、専門家ではない人から「いつかは飽きるので放っておきましょう」と、いい加減なアドバイスしか得られない場合もあります。依存問題の深刻さと対応システムの未成熟さ、そのギャップが大きいのが現状です。

オフラインの時間をつくることが大切

4月になると、入学、進学のタイミングで、親が子どもにスマホを与えるケースが増えます。その時はしっかりルールをつくってほしい。仕事や学校から帰ってきて、午後8~9時の間は家族全員がオフラインの時間にするなど、使っていい時間や使っていい場所、それらを家族全員で相談して決めてください。また、守らなかったらどうするかといった罰則も同様です。ペナルティーとしては、ある一定期間スマホを預かって、頭を冷やさせることも一例です。

帰宅して一緒に夕飯を食べていても、スマホを見ているばかりで会話ができない親子は少なくありません。オフラインの時間があれば、お互いの会話も自然と生まれるでしょう。

子どもが健全にスマホと向き合うには、両親の姿勢が大事になります。両親がネットやスマホにはまっているのを見ると、子どももそれをまねします。両親の行動が子どもたちに影響があることを理解して、自分たちの使い方もコントロールすることが大切です。

スマホを使っていい時間、使っていい場所、家族全員で相談して決めることが重要(写真はイメージ=PIXTA)
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