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気づきにくいスマホ依存 オフラインの時間でチェック

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NIKKEI STYLE

年度末はスマートフォン(スマホ)の買い替え時期。またこれまで持っていなかった世代が、進学や進級を機会にスマホを使い始める季節でもある。スマホとの付き合い方を改めて見直す絶好の機会ともいえるだろう。「ネット依存の中でもスマホ依存症は周囲も自分も気づきにくい」というのは、2011年7月からネット依存治療を行っている独立行政法人国立病院機構久里浜医療センターの樋口進院長。ネット依存の現状、そして自己チェックの仕方などを聞いた。

◇  ◇  ◇

気づきにくいから厄介なスマホ依存

久里浜医療センターに来院する患者の多くはゲーム依存症です。これまではパソコンやゲーム専用機を使ったネットワークゲームに夢中になって、ゲーム依存になるケースが多かったのですが、スマホが普及してからはスマホゲーム依存の患者が急速に増えました。

ただ患者はもっとたくさんいると思います。ゲーム依存では、本人が自発的にやってくることは少なく、心配した家族が来院を促すケースがほとんどです。オンラインゲームの場合、ゲームに熱中するあまり部屋から出てこなくなったりするので、問題が起きていることがはっきりとわかります。でも、スマホにはまっていても、日常生活には問題がないように見える。SNSを見ながらでも通勤はできますし、隙間時間にゲームアプリをしていても、一見普通に見えますよね。だからまわりも気づきにくいんです。自分ですらも気づきにくい。

そういう意味でスマホ依存、ネット依存はアルコールやギャンブル、パチンコ依存などと比べても厄介だといえます。多くの人にとってお酒は夜に飲むものですし、平日の昼間にパチンコ店へ行くのは難しい。時間や場所の制限があるのです。しかし、スマホはどうでしょうか。いつでもどこでもできることは、依存を助長する大きな要因なのです。

韓国では、日本よりも先にネット依存の問題が深刻化し研究が進んでいます。その韓国で作成され、世界中で用いられている「スマートフォン依存スケール」をご紹介します。表に記された10個の質問に答えてみてください。合計が31点以上となった方は「スマホ依存の疑いあり」と見なされます。だからすぐに受診をしましょうというわけではありませんが、使い方を見直す必要はあるでしょう。

患者の年齢層が広がっている

久里浜医療センターのネット依存治療部門は2011年7月に開院しました。当院はインターネット依存等の行動嗜癖(しへき)の予防・治療・研究を専門としています。治療は常に最大限受け付けていますが、2011年から予約待ちの状況がずっと続いています。

来院する患者が依存症になった原因をみると、ゲーム、SNS、動画(ゲーム実況、ポルノ関連)が多いですね。治療の対象となるのは「過剰使用」「問題が明確である」という2つを満たしていることです。「問題が明確である」というのは、昼夜が逆転している、成績が下がる、学校に行けなくなる、食事をとらず痩せていく、といった症状がみられることを示します。

患者の3分の2は中学生、高校生ですが、最近は小学生、さらに30~40代の社会人も増えてきました。年齢層が広がっているんです。これはやはりスマホ依存が増えているからではないかと感じています。

特に、アプリゲームで見られる有料くじ引き「ガチャ」は依存の大きな要因になっています。大学生や社会人でこれにはまり、高額をつぎ込んだために家族に連れられてくるケースが少なくありません。課金額はピンからキリですが、ある40代の女性患者は遺産全てをガチャにつぎこんでしまって、2000万円以上払ってしまったそうです。1800万円ほど使ってしまったという男性患者もいました。もう桁が違います。

インターネットやスマホは普及からそれほど時間がたっていません。メンタルヘルスの相談窓口があっても、専門家ではない人から「いつかは飽きるので放っておきましょう」と、いい加減なアドバイスしか得られない場合もあります。依存問題の深刻さと対応システムの未成熟さ、そのギャップが大きいのが現状です。

オフラインの時間をつくることが大切

4月になると、入学、進学のタイミングで、親が子どもにスマホを与えるケースが増えます。その時はしっかりルールをつくってほしい。仕事や学校から帰ってきて、午後8~9時の間は家族全員がオフラインの時間にするなど、使っていい時間や使っていい場所、それらを家族全員で相談して決めてください。また、守らなかったらどうするかといった罰則も同様です。ペナルティーとしては、ある一定期間スマホを預かって、頭を冷やさせることも一例です。

帰宅して一緒に夕飯を食べていても、スマホを見ているばかりで会話ができない親子は少なくありません。オフラインの時間があれば、お互いの会話も自然と生まれるでしょう。

子どもが健全にスマホと向き合うには、両親の姿勢が大事になります。両親がネットやスマホにはまっているのを見ると、子どももそれをまねします。両親の行動が子どもたちに影響があることを理解して、自分たちの使い方もコントロールすることが大切です。

スマホ依存が進んだ子どもは、朝起きたらまずスマホを見る、通学中も授業中も見るし、帰ってきたら部屋で見る。食事をとらず風呂は入らない。遅くまでいじって深夜2~3時に寝る。それが典型的な例です。さらに依存度が進んだ場合、注意をすると暴言を吐いてコミュニケーションは成り立たなくなったり、暴力をふるって両親にけがをさせたりすることもあります。

スマホを使えない時間があることは、そういった依存の予防にもつながります。スマホから離れた時間で、本来自分が何をしたいのか、何が楽しいのか、本来人間が感じるべきものに気づくことができるのです。

こういった問題は子どもだけではなく、大人にも発生する問題です。もちろん仕事でスマホやSNSを常用しているビジネスパーソンもいるでしょうが、それに関しては依存を心配する状況ではありません。問題は「仕事以外の状況ではどうなのか」です。夫婦で会話ができているか、(仕事以外の利用で)作業能率は落ちてないか、お金を使いすぎていないか。そうした問題がないか、ぜひ一度考えてみてください。ただ、人は自分に甘くなる傾向があります。家族や同僚など第三者からの意見も大事です。

問題があると感じたときは、スマホを使わない時間を作ってみましょう。もし、スマホを使わないでいようと思ったのに自分でコントロールできないようなら、受診の対象かもしれません。

樋口進
 独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター院長。1979年東北大学医学部卒業。専門は精神医学、アルコール関連問題など。久里浜医療センターでは、アルコール依存症、インターネット依存症のほか、うつ病、パニック障害、統合失調症などの一般精神科疾患を広く診療している。近著に「スマホゲーム依存症」(内外出版社)。久里浜医療センターは2018年2月25日、はまぎんホールヴィアマーレ(横浜市)で「第1回 国際ギャンブル・ネット依存フォーラム」を開催する(入場無料、事前登録不要)。

(文 田中一成)

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