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NISAで避けたい投信とは 複雑、高分配やコスト高… 初心者は長期でつき合える商品を探す

2018/2/25

写真はイメージ=PIXTA

 国内の投資信託の数は、個人がいつでも購入できる公募の追加型だけでも6000本近くある。この中から投資目的に合った良い投信を見つけるのは至難の業だ。積極的に高いリターンを求める「アクティブ型」にスポットをあてて、長く付き合える投信の見つけ方を探ってみたい。

 投信には(1)運用者が独自の判断で有望銘柄を選ぶアクティブ型(2)日経平均株価など特定の指数に値動きが一致するよう機械的に銘柄を組み込むインデックス型――がある。

■アクティブ型が健闘

 最近はインデックス型が優位との声をよく耳にする。アクティブ型は、信託報酬という購入者が負担するコストが比較的高いにもかかわらず運用成果が指数を上回る例が少ないとして、低コストのインデックス型に人気が集まる。

 実際はどうか。投信評価を事業の一つとする格付投資情報センター(R&I)が調べたところ、国内株アクティブ投信のうち約9割(504本)でリターンが昨年、日経平均を上回った。過去3年でみても勝率は8割。日本株に限ればアクティブ型が不利とは言えない。

 投信は過去のリターンだけではなく多面的に判断することが重要だ。R&Iは、初心者が少額投資非課税制度(NISA)を通じて中長期で資産形成するのにふさわしい投信の基準を設定。「NISAスクリーニング」として2年前から公表している(図A)。

 まず重要なのが商品設計のわかりやすさだ。仕組みを理解せずに投資すれば思わぬリスクを負う。それを避けるため、国内株式型など運用対象がシンプルである投信に限定し、リスクを見極めにくい通貨選択型などは除外する。

 長くつきあうには分配方針も大切。毎月分配型のように分配金を多く払い出すほど資産は成長しにくいため、分配頻度が年1回の投信に限る。

 コストが極端に高いファンドは除外する。ただし、投信のリターンは一般に、すでに信託報酬を差し引いた後の数値で表す。コストを払っても成績が優秀なら良い投信なので、信託報酬自体の基準は緩めに設定している。

 以上のような基準でふるいにかけたところ、投信約6000本のうち今年は183本が残った。これらがNISAで投資する投信の候補だ。

■運用能力を評価

 気になる運用能力についても評価してみた。基準はシャープレシオ。おおまかに言えば、リスク(値動きのブレ)が低い割に高いリターンを上げたかを判定する指標だ。数値が高いほど運用力が優れていたことになる。

 評価(レーティング)が5段階の中で最も高かった投信は32本(図B)。そのうちの主なファンドを表Cに並べている。例えばマネックス・日本成長株ファンドは過去10年間に累計233%という高いリターンを確保している。

 投信は長期で評価するのが基本だが、10年間で見て成績が良くても1年間だと低いこともある。この場合、運用体制やプロセスなど、足元で何らかの変化があった可能性が否めないので注意したい。

 他にも投信選びのポイントはある。例えば急激な資金流出入によって残高が急減・急増していると、運用に支障が出る恐れがある。投信を選ぶのと同様、つき合う販売会社を見極めることも大切だ。安易にテーマ型と呼ばれる流行ファンドばかりを勧めるような販売姿勢ではないかといった点をチェックしたい。

(格付投資情報センター チーフアナリスト 海老沢界)

[日本経済新聞朝刊2018年2月17日付]

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