「今年こそはメタボを解消する!」と意気込んだものの、年末年始についた脂肪がすっかり体に定着した人もいるだろう。ダイエットはいかにライフスタイルに溶け込ませ、無理なく長続きできるかが成功のカギを握る。一念発起してもなかなか長続きしないとお悩みなら、休み休み続ける「インターバルダイエット」を試してみてはどうだろう。自身もインターバルダイエットを実践し、効果を実感しているという、慶應義塾大学医学部眼科学教室教授で日本抗加齢医学会理事でもある坪田一男さんに話を聞いた。
断続的に一定のカロリー制限を行うメリットは?
やせるには、摂取エネルギー(カロリー)を減らして消費エネルギーを増やすのが基本であることはご存じだろう。近年のアンチエイジング研究では、栄養を十分に確保しながら1日の総摂取エネルギー量を7割程度に制限する「カロリス」(カロリーリストリクション=Calorie Restriction)が、単にやせるだけでなく、長寿遺伝子を活性化して老化を防ぎ、健康長寿につながるという報告がなされ、注目されてきた。
「しかし、カロリスは筋肉が減る、骨が弱くなる、免疫力が低下するなどマイナス面もあることが分かってきました」(坪田さん)
そもそもカロリスは長く続けるのが困難だ。「腹八分目」がいいとは分かっていても、物足りなくて反動でつい食べ過ぎてしまい、リバウンドすることがある。また、おいしい食べ物があふれている中で「常に我慢を続ける」ことは、それだけでストレスになる。その上マイナス面も考慮しながらとなると、一般の人がカロリスを習慣化するのはなかなか難しいのが現実ではないだろうか。
そこで近年、いくつかの研究報告が相次いでいるのが「Fasting Mimicking Diet(FMD)」と呼ばれる、断続的に一定のエネルギー制限を行う方法だ。
米国の生物学者、ロンゴ博士を中心とするグループが、摂取エネルギーを常に7割に制限するのではなく、一定期間だけ制限してまた元に戻すといったインターバルを置きながらの動物を使ったダイエット実験を重ねるうち、カロリー制限は休み休み行うと効果があるということが分かってきたのだ。