成城石井のコスパワイン 家飲みにプチぜいたく
世界各地のこだわりの食材を豊富に取りそろえるスーパーマーケット成城石井。ちょっとぜいたく気分で「本当にいいもの」を求めて訪れる人も多いのではないだろうか。ワインの取り扱いの歴史も古く、自社輸入品や、ワイナリーとの共同開発品など、レベルの高いワインを手ごろな価格でそろえている。今回は、成城石井のおすすめのワインとワインに合うお惣菜を紹介しよう。
プチぜいたく気分&コスパの良いワイン
まず目に止まったのが、イタリアのスパークリングワイン「フランチャコルタ」だ。フランチャコルタは、シャンパンと同じ伝統製法(瓶内二次発酵方式)を用いて造られるスパークリングワインのこと。ファッションの街ミラノに近い北イタリアが産地であり、洗練されたボトルデザインも多く、高品質の味わいでシャンパンのファンにも人気が高い。
フランチャコルタのなかでも、「サテン」と呼ばれるものは、白ブドウのみを使用し、最低熟成期間も通常より6カ月長い。それなのに3000円を切るリーズナブルな価格に驚いた。
サテンは一般のフランチャコルタよりもガス圧が低いので、口当たりがクリーミーなのが特徴だ。その名の通り絹のように滑らかで、凝縮したうま味がある。長期間瓶の中でオリと寝かせることが、複雑なイーストの香りを生むのだ。時間を置くと、蜜の香りが強くなる。チーズに蜂蜜を添える感覚で、「成城石井自家製 6種ナチュラルチーズの濃厚フォルマッジオ(税抜き849円)」に合わせたい。
有名シャトーとコラボレーション
「シャトー・モン・ペラ」は、人気ワイン漫画『神の雫』で紹介され、一躍有名になったワインだ。モン・ペラを造るデスパーニュ家は、フランス・ボルドー地方で約250年の歴史をもつ老舗。有名シャトーと信頼関係を築くのは簡単ではないが、成城石井はワインの品質管理の高さで信頼を勝ち取った。
成城石井のワインの裏ラベルをみると、全て「Reefer品質保証」と書かれている。これは、ワインを一定の温度で運ぶ「Reefer(リーファー)」コンテナを使っているということ。成城石井では25年以上前、ワインの取り扱いを始めた当初から、まだ珍しかったリーファー輸送を全面的に採用した。輸入後は、定温倉庫で徹底的に温度・湿度を管理して産地に近い状況で保管する。こういった品質管理が評価された。
2009年から共同開発している「クイーン モン・ペラ」は、ブレンドにこだわり、現地と日本で試行錯誤を繰り返し何度もテイスティングと議論を重ねて完成したワインだ。「シャトー モン・ペラ」が男性的な味わいであるのに対し、「クイーン モン・ペラ」の特徴は、柔らかく女性的な味わい。ワインにまろやかな風味を与える黒葡萄品種メルローが60%と多くブレンドされているためだ。カベルネ・ソーヴィニヨン主体のボルドーの赤ワインは渋みが強くて苦手、という人にもおすすめだ。
家飲みにおすすめの2本
家飲みにおすすめのワインを、2本ご紹介しよう。
まず、10年以上成城石井で人気ナンバーワンを続けているのが、「CH ラ ヴェリエール ルージュ」。カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー種をブレンドしたボルドーのワインだ。買付担当者がフランスで発掘したオリジナル商品である。人気の理由は、飽きのこない味わい。たしかに渋みが強すぎず、果実味と酸とのバランスが良いので、するすると飲めてしまう。肉を使った家庭料理全般に合いそうだ。
ラベルも共同開発で、ボルドー地方の赤ワインらしいクラシックな感じを基調にしつつ、金色を配置することで、上質感のあるラベルを意識した。減農薬栽培のブドウを使用していることもポイントだ。
家飲みにおすすめワインの2本目が、「アッサンブラージュ」シリーズ。フランス南西部ガスコーニュ地方の小さなワイナリー「ドメーヌシルレ」と開発したオリジナル・ブレンドだ。目につくのは、いくつもの数字がランダムに配されたラベル。数種類の原酒をブレンド(フランス語で、「アッサンブラージュ」)しており、その割合がラベルにそのまま印字されているのだ。1%単位で割合を調整し、ベストな比率を研究した。
商品のコンセプトは「日本の食卓に合うワイン」。パッションフルーツやハーブの香りなど、さまざまな白ブドウの特徴が見える、飲み飽きない味わいだ。野菜や魚介系の家庭料理はもちろん、店舗でワインに合う惣菜を選ぶのも楽しい。売り場には目移りするほど多数の惣菜が並ぶが、エスニック系や点心が豊富なのも特徴だ。そういった食材にも合いそうだ。
パーティーにはスパークリングを
パーティーに持っていくなら、「ジャクリーヌ ブリュット」。コニャックの老舗カミュがプロデュースしたおしゃれなスパークリングワインがオススメ。ボルドーで良質なスパークリングワインを生産するソレヴィと提携を結び、厳選した上質なブドウから、カミュの名に恥じないよう徹底した品質管理のもと造っているワインだ。ジャクリーヌという名は、「エレガントなフランス女性」をイメージしている。かんきつ系の果物とほのかな花の香りが心地よい、まさに女性にも好まれる味わいだ。アイレン、ユニ・ブラン、コロンバールという少し珍しいブドウ品種で造られており、コニャックにも使用される品種(ユニ・ブランとコロンバール)が入っているところに、カミュらしさを感じる。
成城石井はパーティー向けの総菜も豊富だ。食物繊維たっぷりのチアシード、キヌア、くるみ、ゴジベリー(クコの実)など13品目もの食材が入った「有機キヌアの13品目シェフズサラダ(税抜き599円)[注]」をはじめ、自分ではなかなか買う勇気がない食材も、気軽にチャレンジできる。彩りゆたかで種類豊富な惣菜を洒落たお皿に移し替えればパーティー映えするのはもちろん、仕事で疲れて帰った平日の夜でもプチぜいたく気分を味わえる。
[注]一部店舗で販売
前菜の定番、ハム類も成城石井でそろう。イタリアやスペイン産のハムから、自家製サラミやソーセージまでよりどりみどりだ。ハム類に合わせるなら、イタリアの微発泡の赤ワイン、ランブルスコは外せない。1970~80年代にアメリカで大流行し、甘口タイプも多く造られたことから「大人のコーラ」などと言われたこともあったランブルスコだが、このランブルスコは、甘さは控えめで、繊細な果実味が光る。色も淡いルビー色で美しく、大人数での乾杯シーンに最適だ。ランブルスコが造られるイタリアのエミリア・ロマーニャ州には、美食の街ボローニャがある。パルマハムでおなじみ、パルマも近い。生ハムとの相性は言うまでもないだろう。
ワインバーとしてもコスパ高い
関東には、成城石井が展開するワインバーが6軒ある。第一号店は2013年12月にオープンした麻布十番店「Le Bar a Vin 52 AZABU TOKYO」。常連客が飽きないよう、週替わりのメニューを提案している。グラスワインも常時約15種類と豊富なので、一人飲みにも向く。ワインの王様と称されるイタリアの銘醸ワイン「バローロ」も5000円台と、リーズナブルなボトルワインの値付けに驚く客も多いという。今回紹介した2990円の「ミラベッラ フランチャコルタ サテン」も4200円。小売価格のたった4割増しで楽しめる。
ワインバーは、食材のプレゼンテーションの場でもある。メニューで使用している原材料の約7割に成城石井の商品を使用しており、メニューの中で気に入った食材があれば、その多くを店舗で購入できる。
一方、店舗ならではの楽しみが、ワインバーでの人気メニューの一つ「生ハムとサラミ類6種盛り合わせ(税抜き1680円/ハーフ980円)」。現地の食べ方と同じように、生ハムを薄くスライスして体温で溶かしながら食べることによって、ホロリととろける食感になるという。スーパーの店舗でも生ハムは手に入るが、変色してしまうのでとろけるほど薄くは切れないのだという。この切りたてほろり感は、ワインバーならではだ。
0120-141-565(受付時間 土・日・祝祭日を除く平日10:00~17:00)
シャンパンと日本ワインを愛するライター。ワイン愛が高じて通信業界からワイン業界に転身した。最近は、毎日着物生活をめざして「きものでワイン」の日々を送っている。ワインの国際資格WSETのDiploma取得に挑戦中。
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