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寂れた城下町が復活 若者が集う犬山・街おこし秘話 水津陽子のちょっとディープ旅

2018/3/2

女性や若者でにぎわう犬山の城下町

 シャッターを下ろした店舗に人通りもまばらな表通り、訪れる観光客も中高年者ばかり……。そんな城下町が近年、若者や女性の人気を集め、大復活を遂げました。国宝・犬山城を擁する愛知県犬山市は、城下町を復活させた独自の街づくり手法が注目されています。今回は街づくり秘話とともに城下町の魅力を紹介します。

 室町時代に織田信長の叔父、織田信康が築いたと伝えられる犬山城は、現存する日本最古の木造天守を有する国宝の城。木曽川の南岸、標高80メートルの城山に築かれ、優美な城郭は城下町と一体となった総構えの構造で、別名白帝城と呼ばれています。

 この犬山城へ真っすぐ延びる約650メートルの本町通りには現在、60店以上の店舗が立ち並び、多くの若者、女性でにぎわっています。しかし2000年代前半、本町通りで常時営業する店舗はわずか15店ほどでした。何がきっかけとなって今のにぎわいが生まれたのでしょうか。

■倍返し神社、ハートの絵馬で人気に火

 犬山城が立つ城山の麓にある三光稲荷神社は、犬山城主・成瀬家の守護神でした。もともとは現在とは別の場所「三狐寺山」にあり、50年ほど前に今の地に移転してきました。最近でこそ多くの参拝客を集めていますが、つい数年前までは地元の人にもあまり知られておらず、訪れる人もほとんどいませんでした。

 木造の神社建築を維持するには定期的な補修が必要で、膨大な費用がかかります。参拝者や氏子がいないと神社の維持もままならなくなります。そんな神社の現状をなんとかしようと宮司の水谷守さんが考案したのが、ピンクのハート形の絵馬でした。

 発想のヒントは以前、水谷さんが勤めていた別の神社で巫女(みこ)のアルバイトをしていた女子高生の「どうしておみくじの紙はどれも白色なんですか?ピンク色とかなら結んだときキレイなのに」という言葉。神社のおみくじが白いのは主にコストが理由のようですが、水谷さんはその言葉がずっと心に残っていたといいます。

 三光稲荷神社の中には、良縁に御利益があるとされる「姫亀神社」があります。11年3月に三光稲荷神社の宮司となった水谷さんは、両面ピンクにこだわったハート形の絵馬を特注し、12年1月から姫亀神社に置きました。当時はまだ珍しい絵馬でしたが、すぐにブレークしたわけではありませんでした。

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