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「神授業」を大幅値下げで配信 学校単位の需要創出

オンライン学習サービス「スタディサプリ」

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NIKKEI STYLE

日経トレンディ

「スタディサプリ」(旧受験サプリ)は月額980円(税別)でカリスマ講師の授業を視聴できるオンライン学習サービス。有料会員は42万人を超え、新しい学びの形として多くの高校でも利用されている。サービス開始から5年でこれほどの急成長を遂げたのはなぜか。リクルートマーケティングパートナーズの西山亮介氏に聞いた。

◇  ◇  ◇

小学4年生から大学受験生までを対象に、現在1万本以上の動画を配信している。2012年にサービスを始め、16年度の累計有料会員は42万人。学校単位での入会も多く、全国に5000ある高校のうち、すでに900校で導入されている。

こんなビジネスを立ち上げた背景には、それまで進路情報メディアを運営するなかで触れ合ってきた高校生たちの声がある。彼ら彼女らは、志望校合格へ向けての日々の学習に対する不安や不満を口にし、かなりの費用をかけて塾に通っていた。一方、勉強したくても「地方なので近くにいい塾や予備校がない」「経済的に厳しくて塾に通えない」と訴える声も少なくなかった。ネットを使えば、こんな高校生たちに広くあまねく高品質で低料金のコンテンツを提供できるのではないか――これがスタディサプリの出発点だった。

学習サービスにおける質とは、コンテンツ、つまり、授業動画の質、つまるところ講師の質に尽きる。そこでプロジェクトメンバーの知人友人の人脈を駆使してあちこちの予備校講師にアプローチし、カリスマ講師を何とか確保して事業化にこぎ着けたのが12年。しかし、うまくいかなかった。

サービス開始時の料金設定は1科目で月額5000円程度。当時、一般家庭の塾や予備校への支出は、月額5万~10万円が相場だった。十分競争力を発揮できるだろうと踏み、消費者向けのグループインタビューでも好反応を得たうえでのスタートだった。にもかかわらず、有料会員は目標の10分の1ほどしか集まらなかったのだ。

料金がネックなのか、ネットで勉強をすることがネックなのか。さまざまな議論を経て出した結論は、「月額5000円は高過ぎる」。塾や予備校の月謝と比べれば安くても、オンライン動画サービスの利用料金としてはどうなのか。Huluやネットフリックスは10ドル程度だ。ウェブにはウェブのルールがあり、相場があるのではないか。そう考えて料金を見直し、全講座見放題で月額980円まで引き下げたのだ。

当然利幅は縮む。だが、それによって利用者増が見込めるし、当社(リクルート)にはBtoBの広告ビジネスなどにつなげるノウハウもある。事業として成立させることはできそうだった。

値下げが思わぬ需要を喚起

料金を一気に下げたことで、会員数はぐっと上昇し始める。と、同時に、予想していなかったことが起きた。いくつもの高校から、「学校単位で導入したい」という引き合いが相次いだのだ。月額980円は学校教育でも利用可能な料金だったのだろう。

多くは、偏差値でいえば中位以下。進路が大学一辺倒でなく専門学校、就職、アルバイトなどまで分散する、いわゆる「進路多様校」だ。聞けば先生方の悩みは、誰に向けてどんなレベルの授業をすればよいのか絞れない点だという。スタディサプリなら、中学時点でつまずいている生徒には中学校まで戻った授業を、大学進学を希望する生徒には先取りした授業を提供できる。効率的に個別対応を可能にする点で、まさに多様校が必要としていたサービスだったのだ。

それまでスタディサプリのユーザー層として想定してきたのは、自分で勉強して大学入試センター試験を受ける、受験生全体から見れば上位の50万~60万人である。高校経由でユーザーになる層はこれとは重ならず、ターゲット層の拡大によって会員数は急上昇した。その後、全国の教育委員会や自治体からの採用も増えた。加えて、受験生向けの内容であるにもかかわらず、社会人の利用者も増えている。大人の学び直し、大学院受験、あるいは、我が子に勉強を教える、といったニーズに、スタディサプリがマッチしているということだろう。

コーチがモチベーション維持

好調の理由は低料金もさることながら、学習コンテンツとしての質の高さは大きいと自負している。前述のように講師はトップクラスの実力者ぞろい。そんな講師の授業に対して、僕らはユーザーのログを基にフィードバックを行う。例えば、授業のある時点でユーザーが大挙して離脱しているとしたら、その理由は何か。講師が背中を向けて板書している、「考えてごらん」と空白の時間をつくってしまっている……。定量的なデータを基に理由を探り、講師とともに改善案を検討して、動画の再編集や撮り直しを行う。こうして磨き上げたコンテンツの蓄積こそが、スタディサプリの強みだ。

サービスの幅は今後も広がる。オンライン学習サービスの課題である「モチベーション維持の難しさ」。これを解決するために17年3月に開始したのが、一人一人に担当コーチが付く「合格特訓プラン」(月額9800円・税別)だ。コーチは難関大学の学生で、問題の解き方から、勉強の仕方、生活上の悩みまで、チャットで相談し放題になる。利用者の評価は非常に高く、成績も一般会員と比べて伸びている。コーチは社会人向けの英語コースでも導入した。他にもライブチャット付き生配信で行う夏期講習や冬期講習も別料金で行っている。

海外進出にも力を入れる。日本同様に受験戦争のあるアジアにはフィットしやすいサービスだ。最高の学びを世界の果てまで届けていきたい。

(ライター 平林理恵)

[日経トレンディ2018年3月号の記事を再構成]

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