階段の上り下りや座り動作 こんな姿勢は体に悪い
健康は姿勢で変わる(2)
日常のちょっとした動作も、姿勢が崩れた状態で行うと、腰を痛めたり、姿勢をさらにゆがめたりする原因になる。前回記事「『×』の人は気を付けて 日常動作の正しい姿勢図鑑」に引き続き、それぞれの動作を見直してみよう。
物を持ち上げる ~しゃがんで背中が曲がると、おなかに力が入らない
「重い荷物を持ち上げた瞬間」も、ぎっくり腰リスクが高い。おなかに力が入った状態で持ち上げないと、体重と荷物の重さが集中的に腰にかかるからだ。持ち上げる前に腰を落として、背中を伸ばすよう心がけよう。
階段を下りる ~内股の人は膝を痛める原因に
「階段は薬」とばかりに、エスカレーターを使わず、一生懸命階段を上り下りしている人も多いはず。だが、悪い姿勢だと、むしろ逆効果。膝などを痛めるきっかけになってしまう。
写真に写る ~内股が女性らしい?お尻が垂れ、おなかが出る原因に
最近、ファッション雑誌などで目にする内股ポーズ。写真撮影の被写体になるときに、これをまねてはいないだろうか。内股で立つと、背筋が伸びず、おなかがぽこんと前に出て、お尻も垂れてしまう。
エコノミークラスに座る ~リクライニングを倒さないほうが楽!
座席に座った途端、リクライニングシートを倒そうとする人がいるが、長時間このような姿勢でいると、骨盤が後ろに倒れ、かえって腰痛や肩凝りを悪化させるもとに。シートは真っすぐの状態で姿勢良く座ったほうが、疲れない。
車に長時間乗る ~骨盤が倒れがち、クッションで立てる
長時間の運転は、同じ姿勢が続くだけでも首や腰に負担がかかる上に、運転に集中する必要があるので、途中で体勢を意識的に立て直すことも難しい。基本の座り方から修正することが必要だ。
ベッドに座る ~へッドボードに枕で読書、骨盤が倒れてしまう
ベッドに座り、枕をクッションにして就寝前に読書をしたり、スマホを見たりする人がいるが、骨盤を後ろに倒したこの体勢は姿勢を悪化させ、腰痛を起こすもとに。長時間はNG。
体育座り ~骨盤が倒れ、背中が曲がる。子供には勧められない姿勢
膝を抱えて座る体育座りは、その姿勢をキープしようと思うと、背中を丸くし、骨盤を後ろに倒すしかない座り方。おとなはもちろん、骨や筋肉が形成される成長期にはお勧めできない、悪い座り方。
(ライター 柳本 操、イラスト 二階堂ちはる)
◆健康は姿勢で変わる
姿勢治療家。仲野整體東京青山院長。柔道整復師。柔道整復師認定スポーツトレーナー。介護予防運動指導員。1926(大正15)年創業の仲野整體の4代目。著書に『一生「疲れない」姿勢のつくり方』(実業之日本社)などがある。
柔道整復師、フットマスター。「南青山『足から治療院』Creare(クレアーレ)」院長。健康は足からをコンセプトに、全身を診る。これまでのクライアント数は延べ13万人を超える。著書に『靴底の外側が減らなくなると体の不調も消える』(主婦の友社)など。
[日経おとなのOFF 2018年2月号記事を再構成]
健康や暮らしに役立つノウハウなどをまとめています。
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