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「自己流ヘルシーな食事」が健康の害に 何が間違い?

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NIKKEI STYLE

日経ウーマンオンライン

あなたは自分の食生活に自信がありますか。働く女性が普段食べているメニューの「誤解」について、予防医療コンサルタントの細川モモさんにお聞きしました。

「一見ヘルシーな食事」の落とし穴

グリーンスムージー、ジュースクレンズ、ビーガン(絶対菜食主義)、マクロビオティック(主に玄米菜食)、糖質オフ……美容やダイエットに関心のある人ならば、よく知っている言葉ではないでしょうか。あるいは既に実践中という人もいるかもしれません。

試しに、美容意識が高い女性Aさんの「一見ヘルシーな食事」をシミュレーションしてみましょう。

【Aさんの平日】
朝食:グリーンスムージー
昼食:野菜サラダ、雑穀米を少し、豆腐ハンバーグ
夕食:野菜スープ、蒸し鶏とキャベツの千切り

「忙しい平日でも野菜はたっぷり取ることを意識しながら、朝・昼・夕の3回、きちんと食べています!」(Aさん)

【Aさんの土曜日】
朝食:低脂肪ヨーグルトとフルーツ
昼食:友達とパンケーキを食べに
夕食:友達とイタリア料理店で、ピザ、パスタを満喫

「土曜日はゆっくりできるので、自分の好きなものを食べる『ご褒美デー』にしています!」(Aさん)

【Aさんの日曜日】
朝食・昼食・夕食:野菜と果物で作ったジュースを食事代わりに

「だいたい日曜日は、食べ過ぎた土曜日の調整をするため、『リセットデー』にしています!」(Aさん)

野菜をきちんと食べているし、高カロリーな食事は週末だけ。その翌日には食べ過ぎをリセットしているし、何の問題もなさそうですよね。

ところが、この食事は「間違いだらけ」。足りない栄養素や問題点が潜んでいます。一つひとつ見ていきましょう。

貧血や便秘、肥満を引き起こす食生活

美容を意識しながら、よかれと思って選んでいるAさんのメニューには、こんな落とし穴がありました。

【Aさんの平日】
朝食:グリーンスムージー
<落とし穴> ⇒ 体内時計をリセットして朝の目覚めに必要となるたんぱく質、肌の潤いに欠かせない良質な脂肪酸が不足

昼食:野菜サラダ、雑穀米を少し、豆腐ハンバーグ
<落とし穴> ⇒ 鉄分、動物性たんぱく質が不足し、冷えや疲れ、貧血を招く恐れが

夕食:野菜スープ、蒸し鶏とキャベツの千切り
<落とし穴> ⇒ 主食を減らした糖質オフダイエットは食物繊維の摂取量、および食事からの水分摂取量(1日約1000ml)が減り、便秘の原因に。スープでおなかを満たすと塩分を取り過ぎ、むくむ場合も
【Aさんの土曜日】
朝食:低脂肪ヨーグルトとフルーツ
<落とし穴> ⇒ 朝は体内の鉄分の消費量が多いため、鉄を多く含む朝食がオススメ

昼食:友達とパンケーキを食べに
<落とし穴> ⇒ パンケーキを、栄養を取ることが大切な食事の代わりにするのはNG。糖質と脂肪の固まりであるパンケーキは血糖値が急上昇し、肥満の原因に

夕食:友達とイタリア料理店で、ピザ、パスタを満喫
<落とし穴> ⇒ ピザ、パスタで炭水化物は取れるものの、メニューによってはたんぱく質、鉄分、亜鉛などが不足
【Aさんの日曜日】
朝食・昼食・夕食:野菜と果物で作ったジュースを食事代わりに
<落とし穴> ⇒ 1日の摂取カロリーが足りず、体は栄養失調状態。野菜・果物だけではたんぱく質、鉄分、カルシウムを取ることができない

そう、野菜や果物中心、低カロリーを意識した食事では、体に必要なたんぱく質、鉄分、カルシウムなどの栄養が取れないのです。世の中でうたわれている、一見「ヘルシーな食事」はカロリー面・栄養面が不足しています。

「実際に、『働き女子白書(※)』では、過去3カ月間連続して月経が止まったことがある無月経経験者が5人に1人もいて、そうした女性たちは野菜メインで肉や魚をあまり食べず、朝ごはんも食べていない傾向になりました」とショッキングな事実があることも細川さんは指摘します。「美意識の高い女性ほど要注意と思います。朝ごはんを抜くことで体温が上がらず、低体温では生理痛が強くなることも分かっています」(細川さん)

※女性の未来と健康を考えるプロジェクト・Will Conscious Marunouchiが実施した健康調査をまとめたもの

では、「健康的な食事」とは、どういうものを指すのでしょうか。「本来の『ヘルシーな食事』とは、野菜や果物ばかり食べることではありません。貧血や冷えを改善する鉄分、女性ホルモンの原材料となるたんぱく質、骨をつくるカルシウムなどを満遍なく取って、初めて『健康的な食事』といえるのです」(細川さん)

働く女性のための「理想的な食事」とは

では、理想的な1日の食事を細川さんに教えてもらいましょう。

【理想的な朝食】
雑穀米に鮭フレークか納豆、具だくさんのお味噌汁、季節のフルーツヨーグルト
<ポイント> ⇒ 朝の目覚めに必要な糖質とたんぱく質、良質な睡眠や快便につながる食物繊維がたっぷりが取れる。魚に含まれるDHA・EPAは女性の美と健康に必要なオイル。具だくさんお味噌汁は前夜に作り置きして、納豆ごはんなら栄養価の高いのりも加えると◎
【理想的な昼食】
肉や魚をメインにしたバランスの良い定食やランチセット
<ポイント> ⇒ 主食を食べるなら精製された白米やパスタ、食パンよりも胚芽(ライ麦粉)パン、そば、雑穀米を選ぶと血糖値が急上昇するのを防げる。お弁当派の人は「お弁当の容量(cc)=カロリー」と覚えておきましょう。夜を軽くするために昼はしっかり食べることが大切です。納豆、温泉卵で「たんぱく質のチョイ足し」を
【おやつ】
アーモンドミルク、ビターチョコ
【理想的な夕食】
参鶏湯(サムゲタン)、ナムルやキムチ
<ポイント> ⇒ 夜は食べる時間が遅くなるほど油(脂)を控えることが、翌朝の食欲に響かないポイント。肉メニューにするなら豚肉や牛肉を控えて、親子丼など鶏肉メニューに。参鶏湯はお米と野菜と薬味を入れて炊飯器のスイッチをポンと入れて作ることができて手軽な上、体が温まる一品

日々、カロリーを気にしている人からすると、「こんなに食べていいの?」と驚く量かもしれません。「朝食を抜かずに食べている女性のほうが、体脂肪率が低く、筋肉量が高く、疲れにくく、高パフォーマンスにつながることが、私たちの『まるのうち保健室』の調査でも明らかになっています。カロリーを気にし過ぎず、しっかりと食べてください」(細川さん)

世の中にはさまざまな美容法、健康法があふれていますが、実は科学的に実証されていないものも多いとか。女性に人気の菜食主義は、赤ちゃんのくる病などの骨の病気や発育遅延のリスクを高めるとして、妊娠中は反対の専門家も多くいます。

細川さんいわく、健康への効果が実証されていて、取り組むことへの裏付けがあるのは、厚生労働省が実施している「国民健康・栄養調査」の「食事バランスガイド」だといいます。

「厚労省の『食事バランスガイド』では、遵守率が高かった上位25%の人は、最も低かった下位25%の人に比べて、総死亡率が15%低かったことが報告されています。魚や肉、果物の摂取量が多いほど、脳血管疾患の死亡率が低いことからも、菜食主義に偏り過ぎないことが大切です。極端な食事制限、反対に食べ過ぎも健康を損ないます。日々、バランスの取れた食事を心掛けましょう」(細川さん)

貧弱な食事を続けると、将来思わぬ大病になる

野菜・果物中心、低カロリーの食事では、必要な栄養素が足りないことが分かりました。しかし、本当に恐ろしいのは、「栄養素不足」「カロリー不足」ではありません。今後の日本の働く女性の健康脅威は「糖尿病」、そして「ロコモティブ・シンドローム(以下、ロコモ)」だと警鐘を鳴らします。

まずは糖尿病。「働く女性の、(1)朝食欠食、(2)おやつ過多、(3)栄養の偏り、(4)アルコールの摂取、(5)運動不足、(6)睡眠不足――は糖尿病の条件を満たしており、これらが習慣化してしまうと糖尿病になるリスクを確実に高めてしまいます。実際に、妊娠を機に糖尿病になる女性も増えています」(細川さん)

続いて、骨や関節などの運動機能・移動機能にトラブルが生じるロコモ。「デスクワークの女性は、ロコモになるリスクが高くなります。実際にまるのうち保健室で20~30代の女性を対象にロコモ度テストしたところ、内勤女性を中心に約3割が該当しました。若くとも慢性的な運動不足や栄養の偏りにより、運動機能の低下が始まってしまっています。食事は人生への投資と考え、できるだけバランスを重んじ、普段から階段を意識して使うなどすると良いでしょう」(細川さん)

また、自己流の過度な食事制限は言うまでもなく禁物。過去に1日の摂取カロリーが女性の基礎代謝を下回る1000kcal未満という極端なダイエットをしたことがある人は、基礎代謝が下がって「低摂取カロリーで過ごしていける体」になってしまい、食事量を増やしたところで、基礎代謝が8年経過しても戻らないというアメリカの調査報告もあります。

「過去に軽い気持ちやファッション感覚で試したダイエットが、数年後に貧血、冷え、目まい、無月経といった症状を引き起こすこともあります。妊娠・出産ともなれば、低出生体重児など、自分の子どもにも影響するかもしれません。『食べる』ということは、それほど大事な問題なんです」と細川さんは訴えます。

漫然と空腹を満たすのではなく、「自分の体に必要な栄養素は何か」を意識することが大切。「ぜひ、ニュートリションコスト(栄養コスト)の高い食べ物を食べるようにしてください」(細川さん)

これからは人生100年時代といわれています。先の長い人生、せっかくなら寝たきりではなく、健康的に楽しみたいですよね。ダイエットや食費の節約に励むあまり、必要な栄養素を取れずに健康を損ねては元も子もありません。

「食事のコスト」よりも「ニュートリションコスト」に目を向けたいものですね。

(ライター 三浦香代子)

細川モモ
 予防医療コンサルタント。アメリカで最新の栄養学を学び、International Nutrition Supplement Adviserの資格を取得。Luvtelli Tokyo&New York.代表理事。女性の健康と美に関する啓蒙活動、日本が深刻な状況に陥っている低出生体重児と不妊症の予防に注力。2014年、三菱地所と共同で東京・丸の内に「まるのうち保健室」を立ち上げ、国内初となる「働き女子1,000名白書」をまとめる。著書に「細川モモの美人食堂」(主婦の友社)、「成功する子は食べ物が9割」(主婦の友社)など。

[nikkei WOMAN Online 2018年2月8日付記事を再構成]

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