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中小企業のM&Aを成立させるのは難しい。写真はイメージ=PIXTA

中小企業のM&Aを成立させるのは難しい。写真はイメージ=PIXTA

中小企業のM&A(合併・買収)仲介などを手掛け、急成長する日本M&Aセンター会長の分林保弘氏(74)。中小企業の3社に2社が後継者難といわれるなか、売却先を探し、仲介する事業承継ビジネスの草分け的な存在だ。同社は業界トップ級の高収益企業に成長した。金融機関がこぞって事業承継ビジネスを手掛けるなか、40歳を超えてゼロからスタートした起業家はなぜ勝ち組となったのか。

米国で武者修行

「学生時代から起業するつもりでした。じゃ、まず米国に行こうと。あの国ではやるものは、必ず日本にも来るからね」。1964年の東京五輪の翌年、立命館大学の4年生だった分林氏は、貨物船に飛び乗って北米に向かった。京都で生まれ育った分林氏の父親は観世流の能楽師。分林氏も子供の頃から能の舞台に立ち、立命館大の能楽部の部長も務めた。北米の20カ所の能の公演を企画し、実行に移した。いわば武者修行だ。

スーパー、外食チェーン、ハイウエー――。日本でまだ普及していないモノやサービスが米国にはあふれていた。そんな体験をした分林氏が目を付けたのがコンピューターだった。外資系の日本オリベッティに入社した。しかし、テクノロジーやハードに関心があったのではない。「コンピューターを使えば、経営システムの改善や効率化につながるんじゃないかと。今風にいえば、問題解決、ソリューションですね。それで中小企業の経営者を集めてセミナーを全国で開いて回った」という。

大企業の顧客は日本IBMや富士通など大手のメーカーが握っている。分林氏は中小企業の経営者に的を絞った。顧客企業の現状を分析し、課題を探り、解決策を導くという一連の流れをフローチャートにまとめ、「会計システムをこう改善すれば、大幅なコスト削減につながる」などと次々提案。経営者のみならず、全国の弁護士や公認会計士、税理士らと人脈を築いた。

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