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「阿蘇くまもと空港」という愛称をつけ、利用促進をはかってきた熊本空港

「阿蘇くまもと空港」という愛称をつけ、利用促進をはかってきた熊本空港

エイチ・アイ・エス(HIS)会長兼社長の沢田秀雄氏は、ハウステンボス(長崎県佐世保市)をはじめとする数々の不振会社を再生し、成長への道をつけてきました。今回は、熊本県最大のバス会社を中核とする九州産業交通ホールディングス(熊本市)について語ってもらいます。熊本空港(熊本県益城町)の運営受託に挑み、不便な地方空港にビジネスの可能性を見いだす沢田流の嗅覚と発想法、経営手法の一端が見えてきます。

◇  ◇  ◇

HISは2005年、熊本県を地盤とするバス会社「九州産業交通」を傘下に収め、12年に子会社にしました。現在、九州産交は熊本市中心街の再開発プロジェクトに取り組み、熊本空港の運営権の取得にも挑戦しています。

再開発は、本拠のビルの老朽化に伴うもので、周辺も含めて甲子園球場の8割ぐらいの規模になります。市がコンサートホールを建設し、専門の会社がホテルを手がけます。九州産交はこれらをまとめるプロデューサー役です。事業費は755億円で、19年夏に完成する予定です。そこから本格的にグループの成長が加速すると予想しています。

熊本のバス会社、再生から成長へ

この会社は、もともと経営不振で産業再生機構の支援を受けていました。再生機構はファンドですから、再生を果たした後、投下した資金を回収する出口が必要です。HISにスポンサー役をやってほしいと求めてきたので引き受けました。取得には初期に20億円の資本を投じ、現在は年に4~5億円の純利益がコンスタントに出る体質になってきたと思います。再開発が終わった後は30億円の利益を目標にします。

九州産業交通ホールディングス
 1942年に熊本県内のバス・トラック業者が統合して発足した九州産業交通が源流。06年にバス、観光、不動産の3事業を分割した専門会社と全体を統括する持ち株会社を設立した。グループでフェリーや飲食・小売りなども手掛けており、年間の営業収益は約8億円。

事業の柱は3つあります。

ひとつは再開発でできる複合商業施設の運営。2つ目がバス事業やレストラン事業など昔からのビジネス。3つ目が観光開発や空港運営などへの挑戦です。

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